□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月19日第223号 ■ ========================================================= 原発即時全廃を提唱した橋下大阪市長の衝撃 ======================================================== またやってくれた。 橋下大阪市長の過激発言だ。 「大阪は原発を可及的速やかに全廃する」事を宣言した事だ。 しかしこればっかりは思いつきの発言ではなさそうだ。 まだ詳しい事が明らかにされていないから断言はできないが、 この突如として発表された橋下大阪市の原発全廃宣言は、この国 の政治に大きな衝撃を与えることになるかもしれない。 私が注目するのは次の諸点だ。 橋下氏のエネルギー政策のブレーンは脱原発のエネルギー革命 をつとに提唱している飯田哲也氏である。橋下氏が本気で飯田氏 の考えるエネルギー政策を推進しようとしているのであれば本物だ。 これは日本政府の国策であるエネルギー政策を変える事を意味 する。すなわち私が言うところの地方からの革命である。 原発事故が起きてもなお脱原発に舵を切れないこの国の支配構造 を地方から変えるということになる。この衝撃は大きい。 橋下氏を独裁者よばわりして批判するのは左翼と言われる人々だ。 その左翼が、原発事故が起きて以来もっとも声高に叫んできて、 なお中央政権の厚い壁の前にその目的を達成できないでいる。 そんな中で、橋下大阪市長が国を相手に原発即時全廃を宣言した のだ。 左翼が受ける衝撃は大きい。 もし橋下維新の会が本当に原発の全廃(停止ではない。全廃で ある!)を行なおうとするなら、橋下維新の会は、いまの支配体制 の下では完全な反権力となる。 だから今後の政局における橋下氏の立ち位置はみんなの党とならん で民・自大連立に対抗する一大反権力勢力となる。 おまけに橋下、渡辺の強力な主張は脱官僚支配だ。その側近はいずれ も脱藩反逆官僚たちだ。 既成権力と主客が入れ代わる戦いとなる。 そこで思い浮かぶのが小沢一郎である。 いまや反体制、脱官僚支配の政治家といえば小沢一郎だ。 橋下・渡辺と小沢の関係がどうなっていくのかという点も注目の的 である。 もし橋下・渡辺連合が今後の政治を掌握するようなことになれば、 既存の支配構造を変えると言う意味で革命的だ。 しかも左翼ではなく私の言う強者による市民革命である。 しかし橋下・渡辺が克服しなければならない最大の課題がある。 それは彼らが弱者の味方であるかということだ。 外交にあっては脱米国支配であり、平和外交、アジアとの共存を 唱えるかということである。 国内にあっては競争主義一辺倒から共生社会の重要性に気づくか ということである。 おそらくそうではないだろう。 もし橋下・渡辺とそれらを取り巻く脱藩官僚やブレーンたちが新自由 主義の考えに徹し、そして彼らがこの国の政治を主導していくなら、 その時こそインターネット政党が立ち上がる時である。 橋下大阪市の原発即時全廃宣言の衝撃の行方を私は注視する。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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