□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月19日第224号 ■ ========================================================= 消費税増税をめぐる対立は財務官僚と小沢一郎の戦いである ======================================================== どうやら民主党執行部は消費税法案の提出時期を遅らさざるを得 なくなったようだ。 なぜ消費税法案の事前審査が民主党内でこれほどまでに、もめて いるのか。 メディアはこれを民主党内の小沢・反小沢の喧嘩だと矮小化して 報じてきた。 もちろんその要素はある。 しかし本当の理由は、法案審査の段階になって財務官僚の陰謀が 明るみになったからだ。 これでは国民の反発を買うと財務官僚と野田執行部がひるんだ からだ。 今度の争点は、景気条項や改革条項と並んで再増税追加条項問題 がある。 すなわち法案に明文化する段階になって、これまで曖昧にされて きた更なる消費税増税の可能性が、付則という形で法案に盛り込ま れる事が明るみになった。 この再増税付則書き込みこそ、財務官僚の深謀遠慮であるのだ。 そしてこの陰謀は今度の法案審査で突然出て来た話ではない。 財務官僚に丸め込まれた野田執行部は知っていた。財務官僚と癒着 したメディアは知っていた。 その事を指摘するのがこのメルマガの目的である。 いまからおよそ一ヶ月前、大綱案の閣議決定が強行されようとする その2月17日の日経新聞が、その経済欄の「底流」という囲み記事 で次のように書いていた。 当時私はこの記事の意味がいまひとつピンと来なかった。 正しく理解できないままに切り取って保存しておいた。 その記事が、それから一ヶ月経って、いよいよ消費税増税法案を閣議 決定する段階で爆発したのである。 「・・・政府は(2月)17日、社会保障と税の一体改革の『素案』 をそのまま『大綱』に格上げして閣議決定する・・・財務省は素案で 布石を打った『次の改革』は封印せざるを得ない情勢だ。『今回の改革 に引き続き(中略)次の改革を実施することとし、今後5年をめどに、 そのための所要の法制度上の措置を講じる。(これが)一体改革案素案 にある『次の改革』条項(である)。財務省幹部は『変に注目されなけ れば良いが』と気をもむ・・・『次の改革』は一体改革関連法案の付則 に明記するのが財務省のシナリオ。(法案が)成立すれば法的な影響力 を持つ。曖昧な書きぶりに加え、将来の話ということもあり、これまで 与野党の関心をあまり集めなかった。ただ、閣議決定を経て、大綱を 法案に書き込む際は、法案を審査する内閣法制局から表現の具体化を求 められる可能性がある。『次の改革』とは何を指すのか、『5年後を めど』とは具体的にいつか、などだ。財務省内でも『将来の話が原因で、 今回の消費税増税まで危うくなれば元も子もない』との声が漏れる。 『素案の言葉をそのまま法案にするのが理想。目立たないのが一番だ』 (財務省幹部)・・・」 今度の民主党内の対立は財務官僚と小沢一郎の戦いである。 官僚支配とそれに加担するメディアに対する小沢一郎の戦いである。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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