□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月15日第210号 ■ ========================================================= 佐藤優を使って北方領土問題報道を自己正当化する朝日新聞 ======================================================== 私は3月3日のメルマガ第174号で、日本の記者としてただ 一人プーチン大統領にインタビューした朝日新聞の若宮啓文主筆が、 その栄誉に有頂天になって北方領土問題の解決について楽観的な記事 を書いたと批判した。 これは何も私一人の意見ではない。 その後週刊文春が同様の指摘をし、その事を私は3月8日のメル マガ第188号で書いたが、週刊新潮(3月15日号)も「騙される な北方領土返還」と題して同様の記事を掲げていた事を後で知った。 その後も、北方領土問題の進展はプーチン大統領と野田首相の間で 動きだす事はないだろうという専門家の意見が大勢である。 あのインタビュー記事は私情に曇った朝日新聞のやり過ぎなので ある。 ところが3月13日の朝日新聞が、ウェブロンザというネット メディアを引用し次のような佐藤優氏の評論を掲載したのには驚いた。 すなわち、佐藤氏は若宮主筆のインタビュー記事を紹介した上で、 こうしたロシアのシグナルに対し野田首相が正確に対応した(電話 会談した)事を評価し、プーチン大統領が電話会談した主要諸外国の 首脳の中では野田首相が最初だと持ち上げる。 そして首相官邸が外務省を厳しく指導していけば北方領土が日本に 近づく可能性がある、などと述べているのだ。 まさしく朝日新聞は自らの勇み足に対する批判をかわし、他人の口 を借りて自己弁護を自らのメディアで行なっているのである。 しかも使う人物が佐藤優氏だ。 北方領土問題は自分と鈴木宗男の言う事を聞いていれば解決すると いう言説を至るところで振りまいている人物だ。 さすがに彼とても北方領土問題は解決するとはいえない。言葉を 巧みに選びながら顧客である朝日新聞の顔を立てている。 この記事はジャーナリズムではない。 若宮朝日新聞主筆とご都合評論家佐藤氏の間で行なわれた一つの 創作である。 そう思って読むと実害はない。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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