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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

このままでは原発事故の処理問題でこの国は押しつぶされる
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年3月11日第196号 ■     =========================================================       このままでは原発事故の処理問題でこの国は押しつぶされる                                                              ========================================================  3月11日の大震災・原発事故一周年記念であるきょう、まったく 予期もしなかったことだが、このようなメルマガを書く事になった。  これも何かの啓示のような気がする。  3月11日未明の「朝まで生テレビ」は原発事故について討論を していた。  たまたまそれを目にした私は最後までその番組に釘付けになった。  この番組は周知のようにまともな討論番組ではない。  みなが言いたい放題を言って、それを司会者がまとめる努力もせず、 これまた好き勝手な議事運営を行なって、最後は言いっ放しで終わっ てしまう娯楽番組だ。  しかし原発事故問題は娯楽番組のテーマとしてはあまりにも重過ぎる。  そして、そのような無責任な番組運びが、結果としてこの時ばかりは 幸いし、原発事故問題とその処理状況、そして今後のわが国の原発政策 の実体を浮き彫りにさせた。  そうしてこの問題に待ったなしに正しく取り組まなければならない 事を我々に教え、日本の将来に一縷の光明を与えてくれた。  いまこそ政府・国民は一体となって原発事故の処理問題と正しい 脱原発に向かって歩み出さなければいけない。  この私の直感を書きとどめるために、番組が終わった直後の午前5時 前からこのメルマガを書き始めている。  3月11日の朝まで生テレビは永久保存版である。  すべての国民が必見の番組である。  この番組が教えてくれたことはこうだ。  除染、瓦礫処理、被ばく防止、避難疎開、東電国有化、原発災害 補償問題、核廃棄物処理、今後のエネルギー政策など、我々がこの 1年間に毎日のように目にし、耳にしてきた問題が、何一つ解決されて いないことが明瞭になった。  いや、もっと重要な事は、それらについて何一つ政府に明確な方針が ない事が見事に露呈されたのだ。  その象徴的な場面として細野原発担当大臣と河野太郎衆院議員の歴史に 残る討論がある。  東電を一刻も早く完全に国有化し、国の財政負担と責任で被害者を 救済せよと主張する河野議員に対し、細野大臣はこう述べたのだ。  問題があまりに多く、大きいので国で対処出来ない。だから東電に まかせるのだ、と。  もちろん細野大臣はそこまではっきりとした言葉は使わなかった。  しかし彼の回りくどい弁解の言葉はまさしくそう告白したのだ。  おそらく細野大臣は正直で善良な人物なのだろう。  この1年一生懸命仕事に取り組んできたのだろう。  菅、野田政権はそれをいいことに彼にすべてを任せた。  その細野大臣が原発事故の処理問題で途方に暮れ、自分ではできない と認めたのだ。  という事は今の政府では解決できないということだ。  しかし解決すべき案を持ち合わせている人物は河野太郎を始めこの日本 には多くいる。  彼らが国民の叡知を結集して原発事故処理に当たれば解決できる。  しかしそれができない。  なぜか。それは既存の権力構造、支配体制がそれを許さないからだ。  一時が万事だ。  財政赤字をはじめとしてこの国が今抱えている多くの困難な問題は、 これまでの権力構造、支配体制の下では解決できない。  今の政治システムの下における政治では国民を救えない。  問題は何も原子力ムラだけではない、永田町、霞ヶ関ムラなのだ。  権力を正しいものに移転する、つまり革命的な権力の移譲が必要なのだ。  このままでは間違いなく原発事故処理問題で日本は潰れてしまう。  そして日本がかかえている問題は原発事故処理問題だけではない。  どう考えてもこの国はこのままでは潰れてしまう。  そして真っ先にその犠牲になるのは一般国民だ。  この番組でもう一つ象徴的な場面があった。  この期に及んでも原発推進を訴える御用学者がいた。  その時、原発事故処理をさせられていたという中年男性の視聴者の一人 が、いかに被ばくの危険性の中で劣悪な条件で働かされてきたかを告白し、 食べていくためには働かなければいけない、こんな状況に人を追いやって おいて何が原発推進か、と叫び、参加者一同しばし沈黙する場面があった。  「もう一つの日本」を我々の手でつくらなければならない。  その手段としてのインターネット政党の立ち上げが風穴をあけることに なるかもしれない。                                了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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