□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月10日第195号 ■ ========================================================= 野田首相の消費税増税強行が小沢一郎を救う ======================================================== 小沢一郎派の複数の若手議員と別々の機会に別々に話す機会が あった。 彼らから私が受けた印象は民主党内部のひどさである。 反小沢の執行部はバラバラであるが小沢切りで一致し、権力を 握った強みでやりたい放題、言いたい放題だ。 そんな中で多くの若手議員は大勢に従うほかなすすべはない。 小沢派の議員立ちだけがその酷さに憤り、なんとか小沢一郎の 復権を願うが、確たる戦略もなく苛立ちが募るばかりである。 おそらくこれが実情なのだろう。 私は彼らに伝えた。 私が小沢一郎の参謀であればこう進言すると。 消費税増税反対を、政局の中だけで唱えるのではなく一般国民 の中に飛び込んで国民運動の形に発展させるべきだと。 もちろんその理由はある。 消費税増税は間違いなく弱者の国民をさらなる困窮に陥れる。 今日(3月10日)の日経新聞は一面トップで報じているが、 野田民主党政権は消費税率を10%引き上げた後に再び増税する 追加増税案を2016年までに国会に提出する方針を固めたという。 このことからも明らかなように財源を確保するための増税は 歯止めが利かないのだ。 増税をいくら繰り返しても今の野田政権では正しい社会保障改革 はできないのだ。 その結果国民の暮らしは税負担ばかりが増えて生活困窮は進む ことになる。 小沢一郎はそのような国民の先頭に立って一般国民のために消費 税反対を訴えるのだ。 私がそう唱える根拠はもう一つある。3月9日の産経新聞で中曽根 元首相が「転換への挑戦」という中で書いていた。 野田首相は消費税増税法案の成立に政治生命を懸けていると訴えて きた。しかし消費税という大衆課税を争点とすることは、候補者に とっては非常に重いものがある、と。 この中曽根元首相の言葉の持つ意味は重い。 消費税増税を訴える政治家は大衆からは決して支持されないという 事を長年の政治家としての体験から知っているのだ。 これを聞いたある議員は、携帯電話の写真を見せて、小沢さんは それをやっている、行く先々で一緒に写真をとってくれと頼まれる、 世論調査と違って現実は小沢人気は高いと語った。 私は言った。 そのような写真を撮ることもいい。 しかし今の小沢一郎に本当に必要なのは、そのようなポーズでは なく、筵を立てた大衆運動の先頭に立つ事だ、本当の意味で庶民の 味方になることだ、権力にいじめられてもなす術のない多くの人々の 心をわしづかみにする行動だ、と。 そう語った私の頭にあったのは池波正太郎の「おれの足音」が描く 大石内蔵助の姿である。 仮名手本忠臣蔵はもちろん作り話だ。 「おれの足音」の大石内蔵助は池波正太郎の描いた架空の人物像だ。 しかし隠忍自重した内蔵助が浅野家断絶を知って決意を固める。 自らを捨てて絶対権力者に異議申し立てを行なう。 それに当時の日本人は喝采を送ったのだ。 それに、吉良邸隣家の旗本土屋主税が高張り提灯を掲げて 討ち入りを助けたのだ。 私の言う強者の中からさえも味方をつける器量である 果たしてこの私の言葉が小沢派の若手議員に理解してもらえたか。 このメッセージが小沢一郎に正しく伝わるだろうか。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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