□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月9日第192号 ■ ========================================================= イスラエルが今ただちにイランを攻撃できない一つの理由 ======================================================== イラン情勢に関する興味深い記事を見つけた。 3月9日の東京新聞はカイロ発今村実記者の記事としてロイター 通信を引用し要旨次のような記事を掲載していた。 すなわち、イスラエルの当局者が3月8日、米国に対しイラン攻撃 のために最新兵器の提供と燃料給油機を要請したことを明らかにした というのだ。 最新兵器というのは地下施設を攻撃する「バンカーバスター」と呼 ばれる地下貫通特殊弾であり、地下にウラン濃縮施設を開発している と言われるイランへの攻撃に不可欠な兵器である。 そしてもう一つ。イスラエルがイランを空爆するにはイラン領まで の長距離の航行が必要であり空中給油が重要となってくる。 イスラエルはバンカーバスターも空中給油機もすでに保有している がその能力や規模が限られており、更なる強化を米国に要請したのだ。 このニュースはイスラエルが今直ちにイランを攻撃しないし、でき ない事を示す一つの有力なサインであると見て取れる。 なぜならば、イスラエルがイランを攻撃すれば、今度こそイランの 強い反撃にあう事をイスラエルは覚悟しなければならない。 だからイスラエルは、その反撃をイランにさせないためにもイラン 攻撃は迅速、かつ壊滅的にこれを行なわなければならない。 そのためには米国からの兵器増強が不可欠なのである。 オバマ大統領は今のところイスラエルのイラン攻撃に反対しており、 このイスラエルの要請に応じようとはしていない。 だからイスラエルは今すぐにはイランを攻撃はできない、しない だろう。 今回ばかりはイラン開戦の決定権は米国が握っているということ である。 すぐにイラン開戦が始まることにはならない。それを教えてくれる 記事ということである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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