□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月7日第185号 ■ ========================================================= オバマの米国にイラン攻撃回避の一縷の望みを託す ======================================================== オバマ大統領とネタニヤフ首相の首脳会談が3月5日にワシントン で開かれた。 「外交的解決を望む」オバマ大統領と「長くは待てない」と主張する ネタニヤフ首相との間で意見が別れたという。 果たしてイスラエルは米国の反対を押し切ってイラン攻撃に踏み切る のか。それを米国は許すのか。 犬が尻尾を振り回すという言葉がある。 中東政策をめぐる米国とイスラエルの関係にはよくこの言葉が使われ てきた。 どちらが最終的な主導権を持っているのか。 イスラエルは米国を振りまわすのか。 米国の国益を犠牲にしてまでイスラエルのイラン攻撃を許す米国は、 尻尾に振り回されることになるのか。 その永遠の疑問が今度のイラン攻撃の有無で世界に証明されることに なる。 しかし、私がこのメルマガで書きたいことはその事ではない。 米国大統領選挙が始まり、共和党はオバマ大統領のイラン弱腰外交 を非難する。 それに対してオバマ大統領はこう答えたという。 イラン攻撃を求める者たちは戦争の太鼓を叩いている者たちだ、と。 私はこのオバマ大統領の言葉をテレビで知って感動した。 大統領選挙の最中に、戦争にはやるイスラエルとそれに迎合する者 たちに、ここまではっきりと戦争反対の意思を国民の前で明言した 大統領がいただろうか。命がけの発言だ。 やはりオバマ大統領だ。 私はオバマ大統領の米国に一縷の望みを託す。 私がイランの大統領であれば、このオバマ大統領の発言に即座に 呼応してこう世界に宣言するだろう。 核開発を凍結停止すると。 世界は安堵してこれを歓迎するだろう。 イランにとって失うものは何もない。 イスラエから先制攻撃の口実を奪うことになる。 核開発はいつでも再開できる。 もしイスラエルが核兵器開発の完成に近づいているのであれば、 核開発を再開する事をちらつかせていつでも米国やイスラエルを 牽制できる。 これが外交だ。 イランの指導者たちにその智恵があることを願うのみである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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