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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

いつから朝日新聞はプーチンファンになったのか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年3月6日第183号 ■     =========================================================       いつから朝日新聞はプーチンファンになったのか                                                              ========================================================  プーチン首相が3月4日の大統領選挙で約64%の得票で大統領 に返り咲いた。  これをどう評価したらいいのか。  大統領選の結果を報じる3月6日の各紙はいずれもプーチン大統領 に手厳しい。  「北方領 譲歩は期待薄」(読売)  「カリスマ陰る影響力」(日経)  「プーチン氏いばらの再登板」(東京)  「『公正』選挙 不信根強く」(産経)  「対抗不在 消極支持も」(毎日)  常日頃プーチンの強いロシアを歓迎する佐藤優氏さえ産経新聞に こう寄稿しているほどだ。  プーチン選挙対策本部の某幹部は筆者(佐藤)に述べた。「苦しい 勝利だった。対外的には予想を超える勝利だと発表する。しかし国家 機関を総動員しても6割を超える支持を取りつけるのが最大限だと いうのが現実だ」、と。  佐藤優氏ならずともそれが大方の見方である。  ところが朝日新聞だけがやたらにプーチン大統領に厚意的である。  プーチン大統領が柔道好きであることを念頭に今度の大統領選挙に 勝利したことを「プーチン一本勝ち」と見出しを打ち、その社説で 「涙にひたる余裕はない」と題して、山積する問題や、反プーチン 世論や不正選挙に対する非難に正しく取り組め、などと励ましている。  北方領土問題については次のように前向きに書いている。  「・・・プーチン氏は欧州と同時にアジア太平洋も重視する 『ユーラシア主義者』である。朝日新聞主筆などとの改憲で、北方 領土問題の『最終解決』に意欲を示したのも、そのあらわれだ。日本 政府も前向きに対応していくべきだ」  無責任な社説だ。  プーチン大統領の最終解決とは何か。  日本が前向きに対応していくかということは具体的にどういう対応 することなのか。  その答えはない。  そういう言葉を繰り返しながら誰も解決できずに今日に至ったのだ。  いつから朝日はプーチンファンになったのか。  それはもちろん大統領選挙の直前の3月1日に、プーチン首相が 海外の主要メディアとインタビューを行なった際、朝日の若宮主筆が 邦字紙の代表としてただ一人それに参加する「光栄」に浴したからだ。  その気持ちは分からないではない。  私には幸か不幸かそういう経験はなかったが、独裁国家に大使と して命ぜられた同僚大使の中には、その独裁者と二人だけの「拝謁」 する光栄を繰り返すうちに、いつしかその独裁者の側に立って物を 言うようになる。  その心理である。  しかし外交に私情を挟んではならない。  プーチン大統領に対する評価や北方領土問題解決についてはそれ に私情をはさんではならない。  ましてやそれを利用して私益を追求するような事があっては国益を 見失うことになる。                             了                  ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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