□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月1日第171号 ■ ========================================================= 野田首相と谷垣自民党総裁の極秘会談を知っていた朝日 ======================================================== 野田首相と谷垣自民党総裁の党首討論が行われた2月29日に 合わせるような絶妙なタイミングで、突如としてメディアが報じた。 野田首相と谷垣総裁が実は25日に首相公邸でひそかに会談して いたと。 もちろん野田首相も谷垣氏も示し合わせたようにこれを否定して いる。否定することで口裏を合わせることで合意している。 それを認めたのではこれまでの国会論戦が八百長だったこと になるからだ。 しかしここまでメディアが書きたてているのだ。複数の関係者が 明らかにした(3月1日産経)というのだ。 極秘会談があったことは間違いない。 問題はそこで何が話し合われたかだ。 メディアの推測は、消費税増税で一致する民主・自民の話し合い 解散だという。 それはそのまま小沢排除であるという。 それはまた既存の政治体制に殴り込みをかけて民主党、自民党の 二大政党支配を脅かす橋下フィバーを阻止することであるという。 おそらく、その見立ては正しい。 しかし、私がこのメルマガで言いたいことはその事ではない。 メディアはこの動きを事前に知っていたということだ。 それどころか野田・谷垣の密談によって消費税増税の話し合い解散 とその後につづく民主・自民の大連立政権ができることを歓迎して いるのだ。 少なくとも朝日新聞は間違いなくそうである。 その証拠として、朝日新聞は星浩編集委員の次のような論評を2月 26日の時点で掲載していた(「政治考」)。 すなわち自民党のベテラン議員が最近野田首相の側近から次のよう に持ちかけられたという、と。 「野田首相は消費税増税で引くつもりはない。小沢一郎を切ってでも 成立させる腹だ。ご協力をお願いしたい」、と。 苦しいのは谷垣総裁も同じだ。自民党内の強行派からは弱腰だと責め られる谷垣氏は妥協しにくいだろうが、しかしもともと財政再建論者の 谷垣氏はケミストリー(相性)が野田首相と合う、と。 折から政治学者の五百旗頭真防衛大学校長は、短期政権がつづき、 政策が進まない今の政治状況を「政変中毒」だと喝破しているがその 通りではないか、と。 果たして野田、谷垣両氏の間で化学(ケミストリー)反応が起きて 合意へ向うのか。それは29日の党首会談で見えてくる、と。 ここまで予言していたのである。そしてこの星浩編集委員のシナリオ 通りに進んだ。 そして朝日新聞はきょう3月1日の社説において党首討論を次のよう に評価し、今後の展開に注文をつけている。 すなわち、ふたりのやりとりから、税と社会保障の一体改革で、両党 が合意できる道筋がはっきりしてきたように見える、と。 ふたりは「違憲状態」だとされている衆院の一票格差是正を、(時間 のかかる)選挙制度改革や定数削減より先行させることでも一致したと。 これを要するに、早く話合い解散を行って民・自連立政権で消費税 増税を断行せよ、官僚たちと協力して日米同盟の深化を加速せよと言 っているのだ。 安保反対の左翼は勿論の事、対米自立を唱える小沢や、東京裁判史観 を否定しいたずらに中国、韓国を刺激する右翼的な石原は、米国に とっては受け入れがたい。 その石原が橋下と組んで中央政治に復活する事を米国は好まない。 今や米国の手先のようになった朝日は、日本の政治は対米従属の 穏健保守政党と官僚でたらいまわししろ、権力を独占し続けろ、と言っ ているのである。 それ以外のものは権力に近づけてはならない歓迎されない異端者 なのだ。 極めてわかりやすい日本の政治とメディアである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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