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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ODAを安全保障の為に使うと言い出した玄葉外相
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年2月29日第168号 ■     =========================================================       ODAを安全保障の為に使うと言い出した玄葉外相                                                               ========================================================  きょう2月29日の産経新聞に聞き捨てならない記事を見つけた。  玄葉外相が28日都内で講演し、その中で政府開発援助(ODA) を我が国の安全保障政策に戦略的に活用していく考えを述べたという のだ。  貧しい国の経済、社会発展のために供与さるべき開発援助が、 それ以外の分野で政治的に供与されることはこれまでにも例外的に あった。  しかし、読売新聞が報じるその記事では、これを堂々と「戦略的」 に使うとこの国の外相が公言したということだ。  しかも「安全確保やテロ・海賊対策のため巡視艇を供与する」と 具体例をあげ、現実にそれをミャンマーに対する援助として3月末 までに実施するというのである。  もはやこれは決定事項なのである。  海賊対策のための海上保安は軍事行為ではないと強弁するかもしれ ない。  巡視艇は軍艦ではないと強弁するのかもしれない。  しかし巡視艇の供与は武器輸出3原則に抵触するおそれがあった ためこれまで供与を見送ってきた。  それが昨年末にどさくさに紛れて武器輸出3原則を緩和して「防衛装 備品等の海外移転に関する基準」を決めた事によって巡視艇供与が可能 になったという。  明らかに軍事協力に道を開くものだ。  シーレーンの安全確保やテロ対策のために活用するというのである から将来の有事を想定したものだ。  おまけに援助を受け取った国が巡視艇を改良して軍用艦にすることを 防ぐことは出来ない。  これをきっかけに軍事用装備がODAで供与される道がなし崩し的に 開かれていくだろう。  これほど大きな援助政策の変更を、都内の講演で言い放つ玄葉外相 は許しがたい政治家だ。  この発言を護憲政党や政治家が咎められないようでは憲法9条を守る 事はできない。  どんどんと右傾化していく流れを誰かが食い止めなければいけない。                             了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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