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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

あなどれない「民間事故調査報告書」
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年2月29日第167号 ■     =========================================================       あなどれない「民間事故調査報告書」                                                               ========================================================  きのう(2月28日)のメルマガ第165号で私は書いた。 噴飯ものの「民間事故調査報告書」であると。  こんなものを大騒ぎして報道するマスコミもおかしい。  偽メディアによる、偽原発調査報告書であると読み流せばいい、 とそう書いた。  その思いは一日たってさらに強まった。  しかし同時に、読み流して終わりにするにはあまりにも深刻な 問題だと気づいた。そこにはそらおそろしい目に見えない意思が 感じられる。  その事について書いてみる。  昨日の夜から今朝にかけてこの報告書が菅叩き一辺倒の形で報じ られている。  私は菅首相の責任を否定する者でもなければ菅首相を擁護する者 でもない。  それどころか菅政権をさんざん叩いてきた。  しかし、そのことと今度の菅叩きはまったく別だ。  菅首相がたとえば小泉首相であったらどうだったか。同じことを してここまで叩かれただろうか。  いや、人気者の小泉首相を例に出すことは適切ではないので、 たとえば安倍、福田、麻生首相だったらどうかと比較する。  かれらも支持率を落として批判されながら首相の座を去った。 しかし今回の菅首相のように叩かれただろうか。  結論から言えば、今度の民間事故調査報告書の菅叩きとそれに 同調するメディアの報道ぶりは、この国の支配体制が官僚支配に 楯突く者たちを異端者にしてつぶす仕業なのである。  菅首相は決して本物の左翼ではないが左翼的な背景を持った 政治家だ。もはや左翼は総保守化したこの国では生き残れなくなり つつあるが、左翼的なものさえも生き残れなくしようとする親米 保守の意思がそこにある。  親米保守と言えば聞こえがいいが、その実態は対米従属保守で ある。その象徴が官僚であり大手メディアでありそれに迎合する 政治家、財界人である。  それに楯突くものはみな左翼的な異端者なのだ。  異端者には決してこの国の政治を支配させない。それが小沢だ。  たとえ間違って首相になったとしても、辞めた後で評価を失墜 させ、影響力をそぐ。それが鳩山であり、今回の菅だ。  首相でいる限りは権力を持っている。官僚は権力には弱い。 しかし首相を辞めればただの人だ。支配者側にあるものが目に見え ない形で反撃する。  それが民間事故調査報告書である。  その報告書を作った連中は、支配体制側の官僚OBや学者を集 めたシンクタンクだ。その長は元朝日新聞主筆だ。  ただの民間人ではない。かれらこそこの国を支配してきた顔の見え ない不特定多数の集合体だ。共通しているのは対米従属である。  そこのところがまったく報じられない。明らかに意図的である。  私が注目するのはすべてのメディア、NHKや朝日までもが、 民間事故調査報告書を大きく取り上げている事である。  本来ならば政府や国会の事故調査報告書を優先しなければならない ところを、それを先取りしてこれで決まり、という報道をしている。  たとえばきょう(2月29日)の朝日新聞は社説で次のように書い ている。  「・・・今回の報告書は、今夏に向けて最終報告をまとめる政府の 事故調や、憲政史上初の国会による事故調にも、いい刺激になるだ ろう」  尻尾が犬を振り回すたとえである。  得体の知れない対米従属保守の「民間事故調」が政府や国会の事故 調を方向付けるということである。  こんなことを大声で言い続ける者はいまのところ私ぐらいだ。  それを表で言えば目の敵にされる。つぶされる。  最近私は読者の助言を参考に電車に乗る時は両手を挙げて吊り革を 持つことにしているがそれはそれで怪しまれる。  だからインターネット政党が必要なのだ。  インターネットを通じて情報を拡散し国民に気づかせる。国民が それに気づいて騒ぎ出せばどのような権力者も勝てないことは中東 の春で証明された。  あの名古屋の河村市長の南京発言に関してこんな記事があった。  中国政府は事を荒立てたくなかったがインターネットで反発が沸騰 し対応策を取らざるをえなくなったと。  あの中国共産党でさえもいまやインターネットで拡散する国民の声 に左右されるようになったということだ。  インターネット政党は必ず実現しなければいけない。                              了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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