□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月28日第166号 ■ ========================================================= 外務省はアフガン復興支援の無駄の責任をどう取るつもりか ======================================================== イランやシリアの事ばかりに目を奪われがちだがアフガン情勢が とんでもないことになっている。 アフガンに違法攻撃をして多くの人命と国土を破壊した米軍は、 何の成果も得られず、わびの一つも入れずに撤退しようとしている。 そんな米国に「逃がさないぞ」といわんばかりにアフガンで反米 感情が高まり暴動がエスカレートしている。 不正義な戦争に駆り出された米兵士のモラルが低下するのには 同情するが、どうせ撤退するならおとなしく撤退すればいいものを、 遺体に放尿したり、コーランを焼却するなど悪態の限りをつくすから アフガン情勢が悪化するのだ。 とうとう仏独政府は自国の政府職員や専門家の派遣を見合わせる ことにした。日本の専門家も動きがとれなくなった。アフガンの復興 支援などしているどころではなくなったのである(2月28日朝日)。 私は外務省にいたころ経済協力を長く担当していた経験から、アフ ガン復興支援に多大な資金をつぎ込んで米国に追随するしか能のない 日本の政策を一貫して批判してきた。 復興支援は平和が実現された時のはじめて意味を持つ。 そのためにも一刻もはやくアフガン和平を実現させなければなら ない。 その最善策は米軍の撤退である。 平和が訪れた後にいくらでも復興支援はできる。 そう言い続けて来た。 実際のところ紛争国には援助をしないというのが我が国の経済援助 の大方針であった。 ところがいつのまにかその原則をかなぐり捨て、対米従属のあまり 日本はアフガン情勢の見通しのないままに復興援助にのめり込んで いった。何度もアフガン復興支会議を主催し、多額の予算をつぎ込ん でいった。 いまそれらすべてが無駄になろうとしている。 いくら自分の金ではないといっても、これまでの援助をムダ金に して終わろうとすることに責任を感じないのか。 アフガン情勢の見通しの甘さについて反省はないのか。 なによりも犠牲になったアフガン国民に対する謝罪はないのか。 口を拭ったまま責任逃れできるものではない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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