□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月27日第162号 ■ ========================================================= やはり日本は米国に占領されていたという史実 ======================================================== これは私にとっては新しい知識となるものであるので読者と共有 したいと思って書くことにした。 よく日本は米国に占領されたという言葉を我々は使う。 しかしそれは「占領されたようなものだ」という自虐的な意味で 使っているのであって、決して言葉の厳密な意味で使っているわけ ではない。 日本は連合国軍によって一時的に占領されたのであり、マッカー サーは連合国軍最高司令官であり、その執務室は連合国軍最高司総 本部であったはずだ。 そして1951年にサンフランシスコ講和条約が結ばれると同時に 日本は独立を回復し、連合国軍の軍隊の駐留は終わったのである。 その後も引き続き米軍は日本に居座り今日に至っているが、それは あくまでもサンフランシスコ講和条約と同時に締結された日米安保 条約に基づいて合意された在日米軍でしかないのである。 ところが米ソの密約により日本は文字通り米国に占領されていたと いう驚くべき史実があったというのだ。 少し前の新聞記事になるが去る2月19日の読売新聞「書評欄」に おいて極めて注目すべき書評が掲載されていた。 すなわち細谷雄一慶応大学教授(国際政治)が下斗米伸夫法政大学 教授の最新書である「日本冷戦史 帝国の崩壊から55年体制へ」 (岩波書店)について書評している。 細谷教授によるその書評の中で私が驚いたのは次のような言葉だ。 すなわち細谷教授は要旨こう言っている。 冷戦を考える時に通常、米ソ対立を軸にして、日米同盟を通じた 日本の係わりに目を向ける。(しかし)それは著者(下斗米教授)の 言うところの『日米関係のみに偏した冷戦論』である。と。 そして次のようにその書評を続けるのである。 本書(日本冷戦史)は1945年の大日本帝国の崩壊から始まる。 その後、9月から12月まで、グローバルなレベルで『東欧管理』、 『日本管理』、そして『核管理』という『三つの管理』が中心的な 争点となった。著者によればそれをワンセットで処理したのが、 12月のモスクワ(米ソ)外相会議であった。そこでは核開発を急ぐ ソ連が、東欧のウラン鉱を確保するためにも『米国主導の日本管理 との取引を承認した』のだ。ソ連の核兵器保有のために、ルーマニア やブルガリアを支配することが優先され、日本占領の運命はアメリカ の手に渡る・・・・ そして細谷教授は書評の中ではっきりと次のように書いている。 これは旧ソ連の新史料に基づいた、実に刺激的な発見である、と。 従来のわれわれの戦後史認識に重大な修正を迫る、画期的な一冊 である、と。 国際政治学者さえも知らなかった新しい史実である。 その国際政治学者をして従来の戦後史認識に重大な修正を迫る 画期的な一冊であると言わしめたのだ。 これを驚かずして何を驚くというのか。 この新発見で文字通り言葉の真の意味で日本は米国に占領され 続けてきた事が見事に立証されたのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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