□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月21日第148号 ■ ========================================================= アニメ・メディア分野でも中国に遅れをとった日本の対米外交 ======================================================== 2月19日の産経新聞に見逃がせない記事が掲載されていた。 一つは習近平国家副主席のロサンゼルス訪問にあわせて米大手 アニメスタジオと中国企業との合弁会社設立が発表されたという 記事だ。 中国側が55%、米側が45%出資して、2016年をメドに アニメ関連の映画を公開予定であるという。 そのスピード感とともに、中国が55%出資して主導権を握る 合弁会社であることに私は注目した。 もう一つは中国の国営メディアが米国内において存在感を強め つつあるという記事だ。 巨大な宣伝広告をタイムズスクエアに掲げ、ブロードウェイに オフィスを新設し、約30人の記者を配置したという。 中国共産党指導部は中国メディアを将来、ロイター通信や米 CNNテレビ、中東の衛星テレビ、アルジャジーラのような存在 にしたいという。 私がもっと驚いたのは米国がこのような中国のメディア進出を 受け入れているという事だ。 ひるがえって日本のアニメ・メディア戦略はどうか。 世界に誇る日本のアニメと喧伝するわりには、それを戦略的に 活用しているとはとても思えない。 メディアに至っては、あくまでも国内視聴者向けが中心で、 米国や世界へ日本を発信するという戦略は見えない。 米国における中国の存在感は日増しに大きくなっていくだろう。 それとは対照的に日本はこれからその影響力を、米国に対して も、世界に対しても、どんどんと低下させていくことになるだろう。 その事をあらためて感じさせてくれた産経新聞の記事である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)