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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

オリンパス株の乱高下と政府の責任
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月19日第814号 ■     =============================================================   オリンパス株の乱高下と政府の責任                                             =============================================================  私はオリンパス問題が報道された直後に、10月28日のメルマガ 第757号で書いた。  報じられているほどオリンパスは悪事を働いているのか、それが企業 買収にかかわる疑惑であれば蛇の道は蛇ではないか、オリンパス一人の 問題ではないだろう、と書いた。  前者については多くの読者からオリンパスの悪事について投稿がなさ れた。  そしてその投稿の通り、その後の進展によってオリンパスが悪事を働い ていた事が明らかになった。  私の認識が間違っていたのだ。  しかし後者については依然として不明なままだ。  そのことについて書くのがこのメルマガの趣旨である。  これから書くことは株取引を一度でも行ったことのある人たちにとって は言わずもがなのことだろう。  株取引にまったく縁のない人にとっては関心のない話だろう。  だから私は書くのである。  不正義、不公平があってはならないと考えるからだ。  ここに来てオリンパスの株が乱高下している。  すなわち粉飾が明らかになったとたんに暴落し、買い手がつかない ストップ安の日が続いた株価は、上場廃止はないという憶測が流れた直後 から一転して買い注文が殺到し、売り手がつかないストップ高の日が続く ようになった。  次々とオリンパス幹部の犯罪まがいの粉飾が明らかにされているという のにである。  解任されたオリンパスの英国人前社長が来日し不正を明らかにするという のにである。  そしてオリンパスの前副社長が東京地検に事情聴取されたという(11月 19日各紙)のにである。  とうとう米紙ニューヨークタイムズ紙は、損失隠しのためにオリンパスは 犯罪組織を利用し、見返りに大量の資金を支払った、とする憶測記事を書い た(11月19日各紙)。  これらが本当だったらオリンパスの上場廃止は不可避だ。  それにもかかわらず、オリンパス株は買いが続いている。  どう考えても不自然だ。不明朗だ。  それは政府・検察や東証関係者の間にオリンパスはつぶさないという 了解があると思われているからだ。  もちろんそんな了解があるなどということが証明されているわけでは ない。  その後に悪情報が出ればまたストップ安となり、本当に上場廃止に なるかもしれない  しかし、上場廃止はないだろうと思わせるに足る十分な理由がある。  オリンパスは内視鏡シェア7割を誇る技術力を持った会社である というのはその理由の一つだが、それが本当の理由ではない。  本当の理由は、日本の大手企業の中にもバブルの損失をごまかすために 同様の粉飾操作を行っている企業が多数あることを皆が知っているからだ。  オリンパスを厳しく罰すれば他にも同様のごまかしをしている会社は 放置していいのかという批判が上がり、累が日本企業全体に及ぶおそれが あるからだ。  オリンパスの株主には大企業が名を連ねており、上場廃止となれば日本 経済に与える打撃は計り知れないほど大きいからだ。  ライブドアがあっさりつぶされたのはそれがライブドアだからだ。  ホリエモンやライブドアの株主などをつぶしても大したことではない からだ。  我々が欲と道連れにオリンパス株を売買するのは自己責任だ。  文字通りハイリスク、ハイリターンの株取引に過ぎない。  しかし少なくとも東証や証券会社、そしてそれらを監督する政府 (財務省・金融庁)はオリンパスの帰趨を知っている。  知っていないまでも、オリンパスの上場廃止か否かを決定する権限はある。  ここに壮大なインサイダー取引の余地が生まれる。  そしてその余得を手にするのは権力に近い連中だ。  常に割を食わされるのは末端の情報しか入手できない一般庶民だ。  政府は自らの手でオリンパス問題の真相を調べ企業としての存続の適否を 国民の前で明らかにすべきだ。  それまで株取引はしばらくは停止すべきではないのか。                             了                                   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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