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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

オフショア・バランシングという名の米国安保政策の肩代わり
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月18日第810号 ■     ======================================================     オフショア・バランシングという名の米国安保政策の肩代わり                                             =====================================================  11月17日の各紙が一斉に大きく取り上げていた。米豪両国は 豪州北部に米海兵隊を駐留させることで合意した、と。  中国の急速な軍備拡大を念頭に、アジア・太平洋地域への安全保障 に米国が乗り出した証拠だ、と。  表面的にはそうだ。  しかしその背景には米国のもう一つの戦略がある。  それがオフショア・バランシングという名の肩代わり政策だ。  各紙の記事をよく読むと、そのことに気づく。  すなわち、11月17日の読売新聞はこう書いている。  「・・・注目されるのは、米軍が『豪州に独自の基地を置く予定は ない』(ホワイトハウス高官)としている点だ・・・巨額の財政赤字 を抱える米国は軍事費の大幅削減を迫られている・・・」  同じく11月17日の朝日新聞はこう書いている。  「・・・アジア太平洋での拠点強化を目指す一方、財政難で国防費の 大幅削減を迫られている米軍にとって、同盟国の施設の共有は数少ない 有効策。日本とも10月の防衛相会談で、施設共有を進めることで一致 している・・・」  そういえば11月16日の朝日新聞は次のように報じていた。  「一川保夫防衛相は15日の記者会見で、米軍普天間飛行場を名護市 辺野古周辺に移した上で自衛隊と米軍が共同使用する案について『問題 意識をもって取り組んでいる』と語った」  これは見逃せない発言だ。  日米両政府が普天間飛行場の辺野古移転になぜこれほどまでにこだわる かの理由がここにある。  辺野古における飛行場の建設の主たる目的は沖縄の負担軽減であると 我々は思い込まされてきた。事実政府はそう繰り返してきた。  しかし実は本当の目的は米国のオフショア・バランシング政策に協力 させられることにあったのだ。  オフショア・バランシングという名の米軍再編の意味は次の通りである。  すなわち、アメリカの軍事行動の自由を最大限、確保する一方で、その 代わり、防衛の責任をそれぞれの地域の主要国家に移譲するということで ある。日本、韓国等、現在、アメリカの同盟国である国々が、インド、 ロシアなどとともに、潜在的な覇権国である中国とバランスするよう、 促すことである。   それは日本に関して言えば、いざとなれば日米安保条約の相互防衛関係 を破棄し、米国の安保政策を肩代わりする限りにおいて日本に自主防衛力を 持たせようとする米国の戦略のことである。  こうして米国は自らの財政負担を他国に押し付けながら米国の安全保障 政策を確保していくのである。  憲法9条を叫ぶ日本の護憲勢力が、この重大な憲法9条否定の政策に ついてまったく声を出さないことが不思議でならない。                               了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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