Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

税制は一般国民が決めるシステムをつくる必要がある
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月17日第809号 ■     ============================================================     税制は一般国民が決めるシステムをつくる必要がある                                              =============================================================  もはや従順な国民は消費税増税についてあきらめているのかもしれ ないが、野田首相はハワイで重大な発言をしていることを見落として はいけない。  すなわちオバマ米大統領との会談を終えた翌日の13日にハワイの ホテルで記者会見した野田首相は、そこで消費税を2010年代半ば までに10%まで引きあげる法案を次期国会に提出する考えを、 あらためて示したのだ。  ということは税制改革案も大詰めに来ているということだ。  それを示すかのように、このところ税制改革に関する記事が目立つ ようになった。  11月15日の日経新聞は自動車業界の要求に応じて民主党税制 調査会(藤井裕久会長)が自動車取得税の廃止をする方向で検討に 入ったと報じた。  自動車業界の社長が首をそろえて一同に会し、減税を訴えたからだ。  ところが翌16日の日経新聞は、自動車取得税の廃止を見送り、その かわりにエコカー減税の延長でお茶を濁すことになったと報じた。  自動車取得税を減税すればどこかでそれを穴埋めする増税をしなけれ ばならない。消費税増税が一番手っ取り早いのだが、消費税増税はまだ 先だ。  だからとりあえず来年度はエコカー減税の延長で自動車業界をなだめ ておこうというわけだ。  17日の朝日は、民主党税制調査会が今度は住宅減税を延長する方針 を固めたと報じた。これは住宅販売を促進させたいとする住宅業界の 要求を満たすためだ。  その一方で11月16日の毎日新聞は生命保険料の控除を縮小・廃止 することを税調が検討していると報じた。  生命保険料の控除は生命保険料や個人年金保険料などの支払額を所得 税や住民税の課税対象から控除することであり減税効果がある。  しかし保険会社にとっては契約抑制効果がある。だから保険会社は 反発する。だからどうなるかわからない。  このように、税制を変えるということは誰かが得をし、誰かが損を する事である。  それぞれの業界や圧力団体が政府に要望、圧力をかける。  それに属する国民はそうしてその声を政策に反映させることができる。  しかし、どの組織にも団体にも属さない大多数の一般国民は、どこに も訴えるところがない。  結局最後は一番弱い者にしわ寄せが行く。それが消費税増税だ。  こう考えた時、税制の決定は、政治家や財務官僚が決めるのではなく、 国民の大半を占める一般国民が決めるようなシステムをつくる必要が あることがわかる。  しかしそのようなシステムを政府や財務官僚が認めるわけがない。  だからこそ一般国民は消費税増税を強行する政党、政治家を選挙で 拒否しなければいけないのである。  一般国民はそれぐらいしか税制改革に対して影響力はないけれど、 それは政治家・官僚に対する最強の意思表示手段でもある。  我々はボイコット消費税増税と叫ぶだけでいい。  かわりの財源をどこに見つけたらよいかって?  それこそが政治家・官僚たちの仕事である。知ったことではない。                               了                   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する