□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月13日第796号 ■ ============================================================= 本音を隠して行なう外交は弱く脆い。しょせん行き詰る ============================================================= 本音を隠して行なう外交はボロが出ていつかは行き詰まる。 これはなにも日本の対米従属外交の事を言っているのではない。 米国とフランスの中東外交についての所感である。 さる11月8日に欧米のメディアが、フランス・カンヌで開かれた G20首脳会議の際に行なわれた米仏首脳会談の本音の会話をすっぱ 抜いた事があった。 すなわち、サルコジ大統領とオバマ大統領の会話の本音の部分を 暴露報道し、それを日本のメディアの一部(産経、毎日)が11月 11日の新聞紙上でつぎのように小さく報道していた。 マイクが入っていることに気づかずに話したことがそのまま報道陣 に流れたというよくある失敗である。 よくある失敗だが、それ故に深刻だ。本音が語られている。 「ネタニヤフ(イスラエル首相)には我慢ならない。彼は嘘つきだ」 こう述べたフランスのサルコジ大統領に対し、オバマ大統領は次の ように応じたという。 「(あなたは)うんざりしているようだけど、私はあなた以上に彼 とつきあわなきゃならない」、と。 国際法を無視して繰り返すイスラエルの強硬なパレスチナ政策に 辟易しながら、それでもユダヤロビーに屈しなければならない米仏首脳 の、これが本音だ。 日本のメディアは小さく報じて終わったが、これは重大な教訓を 教えてくれている。 すなわち本音を隠して行なう外交は、しょせん力強い外交にはなり 得ないという事である。 それゆえにうまくいかないと言うことである。 どこかでかならずボロが出て行き詰まる。 この米仏首脳の中東外交に関する本音は、そのまま日本の対米従属 を表している。 本音で行ない得ない外交は弱く脆い。 心の中で「こんちくしょう」と思いながらも従わざるを得ない。 日本の対米外交そのものである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)