□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月10日第790号 ■ ============================================================= 野田政権は長くはもたないのではないかと思う ============================================================= 11月9日の国会答弁を聞いていて、私は野田政権はひょっとしてそう 長くはもたないのではないかという思いを抱いた。 それはTPPが野田首相を追い込みそうだからではない。 官僚あがりの江利川毅人事院総裁に野田政権が繰り返し違憲呼ばわり されていたからだ。 野田政権は人事院勧告の実施を見送って、独自の国家公務員給与引き下 げ特例法案を国会に提出した。 これに対し江利川人事院総裁は、人事院勧告は憲法に基づいた制度だ、 それに従わないのは憲法違反だ、人事院勧告を実施しないと法体系上問題 が出てくる、と繰り返し野田政権の対応を批判した。 国会の場で所管大臣の川端総務相や、それを指導する野田首相の答弁を 正面から批判したのだ。 しかも憲法違反という政治家にとってもっとも侮辱的な言葉まで使って。 江利川毅氏は厚生労働省事務次官を経て人事院総裁に天下りした官僚だ。 天下り批判のなかで民主党政権の手によって、これは天下りではないと かばってもらって任命された人物だ。 いくらその同意人事が鳩山民主党政権下であったとしても民主党政権は 江利川氏にとっては産みの親だ。 おまけに野田政権は官僚組織をうまく使って政策を進めるとされている 官僚おともだち政権だ。 その野田政権が官僚あがりの人事院総裁にここまで楯突かれているので ある。 これは異常なことだ。 官僚と政治家との関係をあらわす言葉に面従腹背ということばがあるが、 これは面と向かった侮辱だ。 官僚に相手にされないような政権は長くはもたない。 たとえ長くもたせようとしても政策の大きなところで早晩行き詰まる。 私が野田政権は長くもたないのではないかと思う理由がここにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)