□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月4日第775号 ■ ============================================================= 「米国が中東和平の唯一、最大の仲介者である」というウソ ============================================================= パレスチナのユネスコ加盟が正式に承認されたとたん、米国はユネスコ に対する分担金拠出を停止すると発表した。 中東問題に詳しくない一般国民でさえも、とんでもない米国だと思った に違いない。 ところがそれを報じる記事をよく読んでみるとこういう事が書かれて いた。 すなわち、米国内法はパレスチナを国家として処遇する国連機関への 資金拠出を禁じているという。 実際のところ米国務省のヌーランド報道官は次のように語ったと報じら れている。 「(米国の)法律の制限により拠出を控えざるを得なくなった」 つまりオバマ政権がその気でなくても米国議会の決定に従わざるを得 ないのだ。 ユダヤロビーに包囲された米国議会はイスラエルの絶対的擁護者なのだ。 そんな米国にパレスチナ和平の公正な仲介者など、なれるはずがなか ったのだ。 米国の仲介によるパレスチナ和平が上手くいかなかった理由がここに ある。 今度のユネスコによるパレスチナ正式承認はその事を我々に教えて くれた。 しかし、もっと重要な事を同時に教えてくれた。 米国のユネスコへの拠出凍結が2年間続けば、米国はユネスコ加盟資格 を制限され、ユネスコ総会での投票権を失うという(11月2日朝日)。 我々はむしろこうなることを歓迎すべきだ。 国際機関が機能するためには特定国の傲慢さを許さないことだ。 米国なきあとのユネスコがより機能するようになれば世界は気づく だろう。 米国がなくても国際社会はやっていけると。 我々はあまりにも米国を買い被っていた、そう国際社会が気づいた 時こそ国際社会が一歩前進する時に違いない。 ユネスコ拠出停止で負い込まれるのは米国なのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)