□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月28日第758号 ■ ============================================================= 東京新聞が書いた「東京湾にも原発はある」という厳然たる事実 ============================================================= ついに東京新聞「こちら特報部」が書いた、という思いで読んだ。 10月28日の「こちら特報部」は、次の書き出しで始まるこの国の 究極の原発についての特集記事を掲載していた。 「私たちは原発事故の直撃を受けない。首都圏の大半の住民はそう 思っているのではないか。だが、東京湾にも『原発』はある。神奈川県 横須賀市の米海軍横須賀基地に配備されている原子力空母『ジョージ・ ワシントン』がそれだ・・・」 こういう書き出しで始まる「こちら特報部」の記事は日本国民必読の 記事である。 米軍基地と毎日闘っている人は知っている。 しかし大多数の国民は気づかない。 メディアが報じないからだ。 ジョージ・ワシントン原子力空母に積まれた二基の原子炉の総出力量 は、福井県美浜原発1号機の出力量(34万キロワット)を超える40 万キロワットと見られるという。 商業炉で使うウラン235の濃縮度が3-5%なのに対し、原子力 空母は原子爆弾とほぼ同じ97%であるという。 商業炉が三年程度で交換する燃料棒も、軍事行動優先の空母では20 年以上同じものを使い続け、それだけ核分裂生成物、つまり死の灰が たまる。事故でそれが飛散すれば、影響は商業炉の何倍も大きいという。 そのような米原子力空母について、「軍事施設なので中身は分から ないし、向こうも教えない。空母や関連施設の立ち入り検査も出来ま せん」(文部科学省モニタリングセンター元多誠所長)。 地元横須賀市で原子力空母の配備に反対してきた呉東正彦弁護士は こう語る。 「米国が安全だというから安全だと受け止めるのは、電力会社の 説明をうのみにする姿勢と同じだ」、と。 これほど危険な原子炉が日本の手の及ばない形で東京湾に配備されて いる。 福島原発事故であれほど騒いでも、そして福島原発事故の被害が現在 進行中であるというのに、米原子力空母については何一つ事故の前と変 わ らない。 この矛盾を報じる東京新聞でさえ、どう対処すればいいのかについて 何の言及もないところが悲しすぎる。 日米同盟を神聖不可侵とすることは国民をないがしろにすることだ。 福島原発事故が起きてもそういう声が起こらない。 それでもあきらめない。変化は予期せずして起きる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)