□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン２０１１年１０月２８日第７５７号 ■ ============================================================= この国の政府、メディアはなぜオリンパスに冷淡なのか ============================================================= これは私が確信を持って書いていることではない。私にはわからない のだ。むしろ賢明な読者の意見を聞かせていただきたいと思って書いて いる。 オリンパスの英国人社長が解雇されたことに端を発するオリンパスの 不正買収疑惑がオリンパスを揺さぶっている。 連日の報道を見てもその真相が分からない。どの記事、報道を見ても 分からないと言っているのだから、私が分からなくても仕方がない。 誰も分からないのだ。 分かっていることは解任された英国人社長と解任した菊川会長ら日本 人幹部の人事上の対立騒動らしい、とうことだ。 その原因がオリンパスの過去の買収の不正疑惑問題だということだ。 そしてその不正疑惑問題で英国人前社長と菊川会長、高山新社長の 言い分が真っ向から対立しているということだ。 ここからが私の書きたい事である。読者の意見を聞きたいところで ある。 なぜ政府は冷淡で、メディアはオリンパスを悪者のように報じるのか。 なぜ英国人前社長の言い分をそのまま流すのか。 企業買収は欧米金融資本主義に影響を受けた日本で日常茶飯事と なって久しい。 企業買収はオリンパスだけでなくどこでも行なっていることだ。 それが不当かどうかは、会計監査法上の極めて技術的な話であって 専門的監査を経て結論を出すべきものだ。 しかも買収には疑惑はつきものだ。 そしてこの種の企業スキャンダルは当該企業の株価毀損に直結する から、そこに株主の思惑が絡む。 だから英国や米国の捜査機関がいち早く動くのだ。 彼らが自国や自国民の利益に反する行動をとることはない。それ どころかウソをついてでもそれを守ろうとする。 そのいい例があの米国におけるレクサス自動車事故騒動だった。 あれは完全に嵌められたことが後で分かった。 それでも政府もメディアもトヨタを守ろうとしなかった。 トヨタと言う会社の体質が嫌いな私でもトヨタを擁護すべきと 思った。 オリンパスがトヨタと同じだと言っているのではない。 オリンパスに不正がなかったと言っているのではない。 少なくともオリンパスの不正疑惑の真偽を、日本政府も速やかに 調べろと言っているのだ。 本当にオリンパスは不正をしていたのか。 英国人社長の解任は不当だったのかそれとも正当だったのか、 それを日本政府としても、監督官庁や監査機関を通じて早急に 調べるべきではないノか。 メディアはそれを求めるべきではないのか。 英国人前社長と菊川会長側には明らかな対立がある。 日本人が英国人社長を解任し、しかも自らの正当性をここまで 主張することは異例である。 確かに菊川会長が記者会見を欠席するなど、オリンパス側にも 不徹底、不明瞭なところはある。 ひょっとして悪事を働いていたのかもしれない。 あるいは、悪意でなくとも企業として甘いところがあったのかも 知れない。 しかし日本政府やメディアは疑わしきは日本企業を信じるべきでは ないのか。 英国人社長がなぜ解任されたかをメディアはもっと追及すべきでは ないのか。 ただでさえ不況で苦しい日本経済である。オリンパスの不幸は日本 にとっても好ましくないだろう。 政府やメディアはオリンパス疑惑をひとごとのように突き放している ように見える。 というよりも単なる怠慢であり取材力不足でしかないのではないか。 オリンパス騒動についての政府、官僚、メディアの対応を見ていると、 彼らが国民に顔を向けずに仕事をしている日頃の姿とダブって見えるて 仕方がないのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行：天木直人 ウェブサイト：http://www.amakiblog.com/ 登録／配信中止はこちら：https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
