□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月25日第746号 ■ ============================================================= イラク戦争を支持した小泉首相とそっくりになってきた野田首相 ============================================================= 私は10月23日に配信した(日付の22日は書き間違いでした) メルマガ第744号で、もう野田首相はオバマ大統領にTPPへの 交渉に参加する事を決めているから、いくら大騒ぎをしても無意味 だ、と書いた。 それを見事に裏付けてくれる記事を今日(10月25日)の読売 新聞に見つけた。 今日から一面トップに掲載が始まった「開国 TPP」において、 10月4日に野田首相が各省の局長を集めて協議をした際の模様が 書かれている。 居並ぶ官僚を前に野田首相はこう言ったという。 「もう決めたんだよ。やるからには11月に向けて努力するのが 筋だろう」、と。 この発言は、官僚たちがTPP交渉参加表明の時期について、 ① 11月、②来年1月、など四つの選択肢を示した後に発した野田 首相の言葉であるという。 この記事を読んでも私は驚かなかった。 繰り返し書いてきたように、野田首相が11月にハワイでオバマ 大統領と再会する時に、交渉参加は見送ります、などと言えるはず はない。そんな事を言えば鳩山首相の二の舞になる。 鳩山、菅という短命の首相の後に首相になった野田氏は、何と してでもながく首相の座に留まりたいのだ。そのためには米国の要求 をすべて飲むしかないのだ。 私がこの読売の記事を読んで驚いたのは、野田首相が、どうせ参加 表明をするなら早いほうがいい、「11月でいこう」と官僚たちを 前にして言った、というくだりである。 これはかつて小泉首相がブッシュのイラク戦争を支持した時とそっ くりだ。 あの時、小泉首相にとってはブッシュの戦争に反対する選択肢は なかった。そしてどうせ支持するなら早いほうがいい、仏・独が反対 し、国際的にも反対の声が多い中で真っ先に支持表明をすればブッシュ に感謝される、そう言って小泉首相は真っ先に支持表明をしたのだった。 それから9年近くの歳月が流れ、いま野田首相は小泉首相とそっくり に見える。 中曽根首相に頭を下げて教えを乞うたと思ったら、今度は小泉首相だ。 しかし、そのブッシュのイラク攻撃は、米国はもとより、それを支持 した英国やオランダはこぞって事後検証し、誤りだったと自己総括して いる。 日本だけがいつまでたっても検証できないままだ。 確かに日本でもイラク戦争検証議員連盟とやらが2010年12月に 発足している。 しかし、その議員連盟会長は斉藤つよし民主党議員だ。 彼は今何をしているというのか。 官房副長官として、あの長島昭久議員とともに野田外交を支えている。 米国の代弁者となって沖縄住民に辺野古受け入れを迫っている。 気の遠くなるような護憲政治家の裏切りだ。 日本はイラク戦争を自己総括できない唯一の国で終わるだろう。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)