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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

米国に屈服した日本プロ野球機構(NPB)
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月21日第741号 ■     =============================================================   米国に屈服した日本プロ野球機構(NPB)                                                 =============================================================  10月21日の朝日新聞が「WBC 日本参加へ」という見出しの 下に、日本プロ野球機構(NPB)が、プロ野球選手会の承認を前提 に2013年に開催予定の第3回ワールドベースボールクラシック (WBC)に参加する方針を固めた、と報じていた。  果たしてどれほどの朝日新聞の読者がこの記事の持つ意味を正しく 理解できただろうか。  私は9月14日のメルマガ第640号で、「日米不平等は何も外交 だけではない」と題して、東京新聞の記事を引用しながら、WBCを めぐるスポンサー料や収益金の分配について日米間で不平等がある事 を知った、と書いた。  米国の不当な要求に対して日本プロ野球機構(NPB)と日本プロ 野球選手会は一体となって正当な権利を求めて米側(WBCI)と 交渉しているが、米国は一歩も引かないということだ、と書いた。  そして、日本プロ野球を管理統制する立場にあるコミッショナーが 役人や政治家の天下り先になっており、現在のコミッショナーはこの 前まで駐米大使をつとめていた外務官僚OBだから、最後は米国に譲歩 して腰砕けに終わるだろう、と書いた。  この私の予想が見事に的中したのだ。  朝日の記事だけでは詳しい事はわからない。  しかし、奇しくも週刊プレーボーイの今週号(10月31日号)に 「MLB VS 日本プロ野球 待ったなしの舞台裏」と題して 見事な解説記事が掲載されていた事を私は見つけた。  その記事にそって解説するとこうだ。  数度の交渉はいずれも決裂し、MLB(メジャーリーグ機構)は 「出たくなければ出なくていい」と最後通牒をつきつけ、日本が不参加 の場合を見越して次回はアジアラウンドの開催地を台湾にすべく打診 したという。本気なのか、おどしなのか、それがわからないまま、 あわてた日本プロ野球機構(NPB)は、「これ以上MLBとの関係を こじらせたくないし、万が一不参加となれば参加報酬さえ失うことに なる。そろそろ妥協したいのに選手会が強硬で困っている」と言い出 した。  はしごを外されたのは選手会だ。そもそも理不尽なMLBに腹を立て ていたプロ野球選手会であったが、いまでは日本プロ野球機構(NPB) に対しても、味方のはずだったのにそれはないだろう、という気持ち を募らせているという。  週刊プレーボーイの記事のなかで面白かったのは、あの渡辺恒雄巨人 会長でさえ、「今回は選手会の言い分にも一理ある。日米同盟は重要 だが、野球のアメリカ帝国はいいかげんにしてほしい」と、「天敵」の はずの選手会を珍しく支持した、というくだりだ。  それほど米国メジャーリーグ機構は理不尽だということだ。  しかし渡辺会長は最後は日本プロ野球機構と一緒になって選手会より もMLBを取るだろう。  第一線で働く者たちが筋を通そうとしても、上層部は譲歩する。  それがこの国の姿である。  それがもっとも現れているのがこの国の対米関係なのである。                               了                                ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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