□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月20日第738号 ■ ============================================================= 普天間問題の解決策を示すことの出来ないメディア ============================================================= 普天間問題に対する野田民主党政権の対応がここまで無策であると いうのに、なぜメディアはこれを追及しようとしないのか。 それはメディアもまた野田政権と同じように対応策がないからだ。 それを見事に示す社説が10月19日の各紙に見られた。 産経新聞は「首相は沖縄説得に汗流せ」と題して、「今必要なのは 米国向けの『アリバイ作り』よりも、日本の安全を真に確保するため に、野田首相みずからが政治生命を懸ける覚悟で地元の説得に汗を流 すことだ」と書いている。 馬鹿な事をいうんじゃない。 既に野田政権は総がかりで沖縄を説得しているではないか。 野田首相みずから政治生命を懸けてやっている。 それが沖縄県民の怒りを激化しているから解決しないのだ。 その反対に朝日新聞は「展望なき一手の愚かさ」と題して、「辺野 古への移設は事実上、無理だ。それでも辺野古移設の手続きを踏んで いくやり方は沖縄県民だけでなく、米国政府に対しても不誠実だ」と 書いた。 ついに朝日がここまで書くようになったのだ。 しかし、その朝日が、それではどうすればいいか一言もない。 普天間を固定化させず、辺野古への移設でもない「第三の道」を 探るべきだ、としか書かない。書けない。 それらに比べて東京新聞の「こちら特報部」は両面を使って大きく 書いていた。 野田政権は強調姿勢を売にしながら、実態は強硬姿勢そのものだ。 代替案の提示もせず沖縄に基地を押しつけようとする。民主党が長年 批判してきた「対米追随」そのものだ、なぜ自国民を優先しないのか、 と。 その通りである。 しかし、その東京新聞でさえ日米同盟を見直すべきだ、とは書か ない。 ここにメディアの限界がある。 沖縄問題の真の解決は米国からの自立しかない。 日米同盟を見直す国民的議論を始めるしかない。 そこに言及しないかぎり普天間問題のいかなる解決案もその場 しのぎのごまかしに終わる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)