□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月15日第723号 ■ ============================================================= ドジを踏んだ眞部九州電力社長 ============================================================= 「やらせメール」問題を調査した九州電力の最終報告書が10月14日、 眞部利應(まなべとしお)社長の手によって政府に提出された。 ところが、その内容がみずからがつくった第三者委員会の報告書の内容 を無視した責任回避の報告書であったことから批判が巻き起こった。 おまけに引責辞任を表明していた眞部社長の続投が正式に決まった。 果たしてこの動きは今後どのように発展していくのだろうか。 結論から言えば私は眞部社長は辞任に追い込まれると思う。問題は眞部 社長の辞任が古川康・佐賀県知事の責任追及にまで及ぶかどうかだ。 そのことは、取りも直さず今後の「脱原発」の行方をうらなう事になる。 福島原発事故から7ヶ月あまりがたって、あれほど盛り上がった脱原発 の動きがすっかり封じ込められつつあると私は感じていた。 たとえば東電の電気料金の値上げの動きだ。 東電の資産査定や経営見直しを進める政府の第三者委員会である「経営・ 財務調査委員会」は10月3日報告書を発表した。 その報告書自体が東電に甘いものであったが、それでも東電の料金算定 は過大だと指摘した。 ところが、驚いたことに東電は真っ向からこれに反論し「過大な原価 計算を行なったということは一切ない」と主張したという(10月6日 各紙)。 福島原発事故直後であれば世論から袋叩きされるところだが、今と なっては誰も問題にしない。東電の静かな復権である。 たとえば浜岡原発の廃炉訴訟である。 浜岡原発は立地条件から見て安全性が保てないとして静岡県の弁護士 らが廃炉を求めた訴訟の第一回弁論において、中部電力は全面的に争う 姿勢を示した(10月14日東京新聞)。 浜岡原発は菅首相(当時)が2011年5月6日に、全原子炉の運転 停止要請し、これに対して中部電力が運転中の全炉停止を決定をした あの原発である。 わずか半年たらずでここまでの態度が変化しているのだ。 間違いなく原発推進派が息を吹き返しつつある。 その一環としての今度の九州電力の開き直りである。 しかしどうやら眞部社長はドジを踏んだようだ。 枝野経済産業大臣が怒りの記者会見をシンガポールで発した。 やがて世論が騒ぎ出す。世論が騒げばメディアも書かざるを得ない。 枝野大臣も振り上げた拳を中途半端には下ろせない。 世論に迎合する野田首相もこの問題で九州電力を庇うことはできない。 眞部社長の辞任は必至だろう。 しかし本丸は古川佐賀県知事の責任である。 果たして批判は古川知事にまで及ぶのか。それとも眞部社長がすべて の責任をとってこの問題は終結させられるのか。 私は、かつて菅首相が海江田経済産業大臣が了承した玄海原発の 再稼動を覆して待ったをかけたとき、その思いつき判断を厳しく追及 した古川知事の事を、「技あり、一本とった」と7月2日のメルマガ 第473号で書いた事があった。 元官僚の古川知事の狡猾さが、菅首相の偽脱原発に勝った格好だった。 ところがそれから間もなくして九州電力のやらせメールに古川知事が 関与していた事が明るみになって今度は古川知事が窮地に追い込まれた。 今度の九州電力の報告書書き直しの最大の理由は、第三者委員会が 古川知事の責任を追及した事に対する眞部社長の「古川擁護」だった のだ。 果たして眞部社長の辞任は古川知事への引責辞任につながるのだろう か。 それはそのまま日本の脱原発の機運が高まっていくのか、抑え込まれ てしまうのかの分かれ道でもあるのだ。 枝野大臣が腰砕けになるかどうか、野田首相の判断がどこまで問われ るか、見所は満載である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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