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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

外交の舵取りがいない野田民主党政権
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月10日第710号 ■     =============================================================   外交の舵取りがいない野田民主党政権                                                 ===========================================================  野田首相の救いがたいところは、野田首相の政策がまったく見えて こないことだ。  報道は、それを、パフォーマンスを嫌う手堅さのあらわれとか、党内 融和だとか、野党への気遣いなどと好意的に報じているが、それは違う と思う。  野田首相自身に自らの信念に裏打ちされた政策がないだけの話だ。  少なくとも外交に関しては断言できる。  自民党時代の首相は、中曽根首相や田中首相さらには宮沢首相など、 そして古くは吉田、石橋、鳩山、岸など、良くも悪くも首相の外交が あった。  あの小泉首相でさえ、あきれるほどの対米従属だったが、その恥を さらしての「小泉外交」というものがあった。  その後、安倍、福田、麻生と毎年のように変わる自民党首相であった が、自民党の党是としての対米従属外交が官僚と二人三脚で行なわれた。  そこには、良いか悪いかは別として、明確な政府の意思があった。  ところが民主党政権の外交はそのいずれもがない。  いつまでたっても外交・安保の党綱領が決められないばかりか、首相 自身の外交がない。  だから以下に述べるようかつまらないことが起きるのだ。  すなわち前原政調会長と玄葉外相が外交の主導権争いをしていると いう。  メッキの剥げた前原氏とおよそ外交とは縁のなかった素人外相が、 次の首相目指して外交の主導権争いをしているというのだ。  しかもここにもう一人、野田首相の外交を取り仕切っている民主党 議員がいる。  それが「野田外交」を裏で仕切る長島昭久首相補佐官だ。  情報月刊誌FACTA10月号が要旨次のように書いている。  ・・・野田佳彦首相は外交安全保障担当の首相補佐官として、長島 昭久議員(49)に白羽の矢を立てた。野田氏は民主党代表選に向け て8月10日発売の月刊誌「文芸春秋」で「わが政権構想」を発表した ことがあったが、その外交部分の筆を執ったのも長島氏だとされる。 長島氏は野田首相の外国訪問に同行するとともに、首相が行なう外交・ 安保に関するスピーチライターも担当。長島氏自身も「野田外交の 裏方は僕が引き受ける」とやる気満々だ・・・  誰が一体野田民主党政権の外交の舵取りをしているというのか。  因みに、これは民主党政権内部の主導権争いとは無関係だが、こんな 記事もあった。  すなわち10月7日の毎日新聞によれば、野田政権になってからは 普天間問題のキーパーソンは斉藤つよし官房副長官となったという。  神奈川出身の元社会党議員である斉藤氏は、米軍基地職員らでつくる 全駐留軍労働組合(全駐労)とともにたびたび沖縄を訪問して「反基地」 にもパイプがあるからだという。  しかし、辺野古移設を目指す野田政権の一員として、沖縄側とどう 協議を進めるか、対応に苦慮する場面もありそうだと毎日新聞は書いて いた。  手のいいガス抜きだと言う訳だ。  それもこれも野田首相自身に信念ある外交政策がないからだ。  いや、外交政策そのものが不在なのだ。  10月9日の栃木の地方紙である下野新聞は、共同通信の記事を引用 する形で野田首相は11月に首脳外交ラッシュを迎えると書いていた。  すなわちフランス・カンヌで開かれる20カ国・地域首脳会合、米 ホノルルのアジア・太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、インド ネシアでの東アジアサミットがそれだ。  これらは毎年の恒例行事でセレモニーのようなものだが、首脳会議だ から欠席できないという事情はある。  しかし、第三次補正予算の本格的審議が行なわれる臨時国会を中断し てまで行く必要性のないものだ。  復興や原発事故対応に専念するほうがはるかに国民のためだ。  ところが行く必要があるというのだ。  山口壮外務副大臣が10月6日の記者会見で次のように語ったという。 これもまたその共同通信の記事が書いていた。  「顔と名前が一致するように、首相には米国に何回も行ってもらわ ないといけない」、と。  これは、もちろん、先般訪日したキャンベル米国務次官補が玄葉外相 と野田首相を間違えて訪米招待した事を念頭に置いた発言であ。  しかし、11月は「各国に顔を売って本格的な首脳外交を展開する 絶好の機会」(政府筋)という事なのだ。  残念ながら野田民主党政権の外交で、日本はますます世界にその 存在感を失っていく。                             了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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