□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月23日発行 第447号 ■ =============================================================== 何のために政治家になったのか =============================================================== 菅首相の権力固執は、もはや世間の格好の話のタネとなりつつある。 何のために政治家になったのか、という問いかけが頻繁に見られる ようになった。 そのもっとも大袈裟なものが6月22日の毎日新聞に掲載された仏 文学者鹿島茂氏の「引用句辞典」に見られるマックス・ウェーバーの 言葉の引用だ。 マックス・ウェーバーいわく、虚栄心は誰にでもあるが、政治家の 虚栄心が「自己表現願望」となって現れてくるようになると問題だと いう。 潔さの美学が語られるようになった。 その典型が6月22日の産経新聞「政論」の次のくだりだ。 「・・・『散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ 人も 人なれ』 これは細川ガラシャの辞世の句だ。細川護煕元首相や小泉純一郎元 首相も退陣の際に引用した。 ところが菅首相は、歴代首相も共有したこの日本的な無常観を持ち 合わせていないようだ・・・」 しかし最近読んだ記事の中で私がもっとも関心を持ったのは政治 評論家の岩見隆夫氏が6月18日の毎日新聞「近聞遠見」で書いていた 次の言葉だ。 彼は「弁護士が幅を利かせてる」と題して弁護士が政界を牛耳って いる現状を憂い、その一人としての仙谷由人官房副長官の次のような 言葉を紹介している。 朝日新聞の記者だった早野透著「政治家の本棚」からの引用である。 「ぼくが選挙に出たのは弁護士19年目だったかな。ある種の倦怠期 だったこともあって、それじゃ、いっぺん遊んでみるかと。弁護士の 仕事も、うっとうしいなと思っていた。だって、人の嫌なことばかり聞く わけだから・・・」 こんな動機で政治家になられてはたまったものではない。 かつては影の首相などと持ち上げられた仙谷氏だが、菅首相に敵対し て菅首相から切り捨てられ、猫のようにおとなしくなってしまった。 とんだ張子の虎だ。 今度の政局が終わったら二度と表に出ることはない政治家の一人だ。 政治家になった理由とともに消えていく政治家である。 了

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