□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月23日発行 第446号 ■ =============================================================== ウィキリークスの情報を独占する朝日の責任を再び問う =============================================================== 読者のひとりからウィキリークスを入手したのは朝日の功績であるから、 朝日がそれを独占する事は朝日の権利ではないか、という意見が寄せられた。 一般論としてはそうかもしれない。 しかし、ウィキリークスが朝日に手渡した日本に関する米外交機密公電は 「国民の知る権利」に照らしてあまりにも重要なのだ。 それが国民に正しく公表されると日本政府と外務省の正統性が失われる ほどの情報が数多く含まれているに違いない。 だからこそ日本政府・外務省は、ことさらに平静を装い、「ウィキリー クスが違法な方法で入手した情報などコメントに値しない」という、理由に ならない理由で一蹴して逃げ切ろうとするのだ。 しかも朝日が独占入手した7000件ほどの機密公電の量は膨大だ。 朝日だけでそれをすべて正しく評価、分析して国民に知らせてくれる保証 はない。折角ウィキリークスが公開してくれた貴重な情報が眠ったまま放置 されるおそれがある。 そしてその懸念は、他社が報道した最近のウィキリークス情報が見事に 証明してくれた。 一つは6月18日のワシントン発共同である。 09年3月16日付の在京米大使館の公電を引用し、その中に、北朝鮮が 長距離弾道ミサイルを実際に発射してもそれは「周辺事態」と認定する根拠 にはしない、という日米合意が日米両政府関係者の間で事前にあったことを 明らかにした。 これは重要な意味を持つ。 国民向けには北朝鮮の脅威を煽ってはいても、実際は日米とも北朝鮮とは 戦争をするつもりはないということだ。 もう一つは6月21日の産経新聞である。 複数の米外交公電を引用し、北方領土問題についての過去10年間の日本 政府の情勢分析の甘さと無策ぶりを、米国があざ笑っていた事を教えている。 いずれもウィキリークスのHPに掲載されたものからの引用だという。 これら共同や産経の報道が意味することは、すべての情報を独占している はずの朝日新聞が、そのすべてを報道していないということだ。 これを善意に解釈すれば、情報量が多すぎてそのすべてを分析し得ていない、 だから分析し終わったものから逐次スクープとして流しているということだ。 悪意に解釈すれば日本政府や外務省に配慮して、情報公開に手心を加えている ということだ。 いずれにしても「国民の知る権利」にとっては大問題である。 私が朝日に対し、ウィキリークスから得た情報を他のメディアや国民に開示 せよ、と求める理由は、それらすべての情報の宝の山を皆で分析しよう、そし て日本政府・外務官僚に国民のために正しい外交をさせよう、という事にある。 了

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