□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月8日発行 第395号 ■ =============================================================== 米国債売却問題について国民的論議をはじめる時がきた =============================================================== 驚いた。週刊エコノミスト6月14日号が「米国債を売れ!」という タイトルの下に大特集記事を掲載したのだ。 以下のサイトでその概略が紹介されているから興味のある読者は 一瞥されることをお勧めする。 http://mainichi.jp/enta/book/economist/ この米国債売却については、周知のように対米従属関係の根幹に かかわる問題であるとしてタブー視されてきた。 その一例として小森陽一氏の言葉を引用してみたい。 昨年11月14日に行なわれた講演のなかで憲法9条の会事務局長 の小森陽一氏はこう述べている(この講演は昨日私の手元に送られて きた講演録で知った。同講演録は主催者であったピースフェスタ20 10実行委員会―電話072-729-9326―に連絡すれば誰で も入手可能と思われる)。 「・・・橋本総理大臣の一番最後のときの外国人記者クラブの講演 後、記者が質問をして、『最近は中国もロシアも経済力がついてきて いろんな国の国債を買ったり売ったりしている。普通国債は安い時に 買っておいて上がったら売るものです。不思議な事に日本は貿易も赤字 で国家財政も赤字のアメリカの赤字国債をずっと買い続けて一度も 売っていませんね。何か特別な理由があるのですか?』と鋭い質問を したのです。 橋本さんは日本語では『私だって売りたいという願望にかられない ことがないわけではない』と三重否定で(慎重な言い回しで)答えた のです。通訳は面倒くさいので『売りたい』と訳したのです。そうし たら翌日のアメリカの新聞で『リュウタロウハシモトの裏切り』と 徹底的にバッシングされ、選挙で敗北して降ろされたわけです・・・」 日本がタブー視する一方で中国はいまや最大の米国債保有国であるに もかかわらず自国の国益に従って米国債を戦略的に自由に売り買いして いるように見える。 これを見れば米国債の売り買いをタブー視するのは根拠のない思い込 みではないのかという見方もある。 ただでさえ深刻な日本の財政事情は、今度の大震災で文字通りがけっ ぷちに立たされている。 そんな中で週刊エコノミストの特集記事だ。 もはや米国債の売却をタブー視することは許されない。 有識者は国民の前にその賛否を堂々と議論し、テレビはそれを大っぴ らに報道し、消費税増税や社会保障改革とならんでこの国の政治の最 重要課題の一つとして国民の判断に委ねる時だ。 エコノミストの特集記事がそのきっかけになることを期待する。 了

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