□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月8日発行 第396号 ■ =============================================================== 木村綾子(43)さんを「ひと」欄で紹介した朝日新聞 =============================================================== 私は6月2日のメルマガ第383号「親米保守という名の空虚な ブランド」で、5月28日の朝日新聞の記事を引用して、北沢防衛 大臣が在日米国大使館の安保政策担当官を防衛省の課長級スタッフ として採用する人事を発表したことを書いた。 そして、週刊新潮6月2日号の記事を引用して、その担当官が NHK元国際部長の高島肇久氏の令嬢であると書いた。 そのうえで、かつて高島氏がNHKから外務省の報道官に抜擢さ れて日米同盟の重要性を世論に植えつける役割を果たしたことから、 この国は政治家、官僚、メディア、有識者などの一部が家族ともど も親米保守をあたかもブランドのごとく見なして結束し、国民を親 米保守に導いているのだ、と書いた。 このテーマについてはそれ以上書くつもりはなかった。問題提起 するだけで十分であるからだ。 ところが6月8日の朝日新聞はその令嬢である木村綾子(43) さんを「ひと」欄で取り上げ、あたかも日本国民が期待する人物で あるかのように紹介した。 そうである以上、もう一度だけ私の思いを書かざるを得ない。 木村さんを取り上げた「ひと」欄の記事はいつもの「ひと」欄と は違う異例の記事だ。 「すっごく悩みました」、「厳しいです」、「命をかけます」と いう本人の言葉を紹介し、「その難しさは(本人も)よくわかって いる」と朝日は書いている。 普通この「ひと」欄で紹介される人物は誰が見ても評価される 人物で、その言葉も豊富に満ちた前向きのものが多い。 それなのに今回に限ってなぜこのようなネガティブな言葉や書き 方が目立つのか。 それは彼女がこれまでに行ってきたことと、これから期待される ことの二つにこよなく関係する。 在日米国大使館の安保政策担当官として働いてきた木村さんは、 スパイでもない限り米国の安保政策のために働いてきたに違いない。 そして米国の安全保障政策は、日本の安全保障に役立つ面もある が基本的には米国の国益のためにある。 その彼女が今度は日本の防衛省の幹部となって働く。しかも間を 置くことなくいきなり日本の安全保障政策のために働く。 誠実な人間であればそんなことが出来るのであろうか。 それが出来る唯一の場合は、安全保障政策に関する米国と日本の 利害が一致している場合である。 そしてその前提となるのは、「日米同盟の深化」は日米両国の共通 の国益であるという認識である。 すなわち彼女は、これまで日米両政府が果たしえなかった普天間基地 問題の軟着陸を、日米両政府に代わって果たす役割を担って、日米両 政府の了解と支援ので防衛省に転職したのだ。 それを証拠に彼女は「(転職の理由は)普天間問題しかありません」 と述べている。 それを証拠に、この異例な人事について米政府高官はこう語っている。 「(こんな人事は)日本以外の国との間では考えられない」 木村さんはきょう6月8日付で「米国務省職員」から「防衛省大臣 官房参事官」となる。 せっかく朝日新聞がその事を教えてくれたのだ。 我々は普天間問題の今後の推移とともに、彼女の果たすであろう役割を 今後一層注視していかねばならない。 了

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