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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

一人で立ち上がった開業医と医療行政の貧困
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月2日発行 第381号 ■     ===============================================================   一人で立ち上がった開業医と医療行政の貧困  ===============================================================  私の一日は毎日午前4時過ぎからのテレビ報道を見ることから 始まる。  早朝のテレビ報道は時として貴重な情報を与えてくれる。  今朝(6月2日)の読売テレビ「おはよん」もその一つだ。  石井直子(確かそういう名前だったと思うが)という美人の(これ はどうでもいいことだが)東京の開業医が、被災地(どの場所かは 聞き逃した)で仮設診療所を立ち上げたという。  週に二度ほど東京の診療を休み、往復数時間かけて東北を往復する という。  それは感動的な話であるが、私がそのニュースで思い知らされた のはこの国の医療行政の貧困である。  いや、これは医療だけに限らない。およそこの国のあらゆる官僚 行政は国民を助けるという視点が欠落しているのだ。  その医師が診療所を立ちあげようと思った動機は、被災地支援に赴 いて目撃した病院の破壊と、それに対応する医療施設の欠如であった という。  それを物語るように、破壊された病院が手つかずのまま放置されて いる映像が映し出されていた。  このままでは被災民の健康は守れない、そう思って出張診療を思い 立ったと言う。    信じられないことだ。  手つかずのままなのは体育館のダンボールで仕切られた空間で寝起き を余儀なくされていることだけではない。  被災民の健康さえも脅かされたままなのだ。  私がもっと感動したのが、その医師の善意に心を動かされた漁業会社 の社長が、漁業施設の一部を診療所として使えるように提供したという 話だ。  往復数時間かけて診療に来てくれる善意に応えられるのはこれぐらい しかない、と言って。  これこそが「もう一つの日本」を地方から起こすと私が唱える原点で ある。  この医師や漁業会社の社長のような善良な国民はその事に気づかない。  しかし官僚であった私は予算の決めれら方、配り方の現実を知って いる。  政治家と官僚が実にいい加減なやり方で巨額の血税を決め、使って きた。  その結果が今日の日本の体たらくだ。   憲法で保障されている国民の基本的人権や生存権に配慮がいかない官僚 行政では国民は救われない。  その官僚行政を追認するだけの政治では国民生活は守られない。  政府や官僚が国民を救えないのなら国民は立ち上がるしかない。  しかも、ここが重要なところであるが、政府が国民を救えない以上、 その予算と行政権の一部を国民に返上しろと迫るのだ。  ここが善良な国民の気づかないところだ。  しかし権利を主張する元官僚の私は真っ先にそういうところに思いが 及ぶ。  私は那須野ケ原地域再生プロジェクトに彼女のような開業医を招き入 れ、政府に対し、当然の権利として予算と権限の一部移譲を要求し、 「もう一つの日本」をつくって見せようと思う。  これから私は地元の人たちと一緒に上京し、有力国会議員に協力要請 をする。私の要求を断れるはずはない。断ったらその政治家の政治生命 は終わりだ。  不信任案が否決されようと可決されようと菅首相は行き詰まる。しか しその後にどのような政権が出来ようとも、憲法で保障されている国民 の基本的人権や生存権に配慮がいかない官僚行政では国民は救われない。  その官僚行政の上に乗ったまま政治的指導力を発揮しない、出来ない 政権では何も変わらない。  菅直人首相の不信任決議案の結果を私は議員会館で知る事になる。 「もう一つの日本」を立ち上げる日にふさわしい記念すべき日となるに 違いない。                             了

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