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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ここまで沖縄を軽視した政権がかつてあっただろうか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月12日発行 第333号 ■     ===============================================================   ここまで沖縄を軽視した政権がかつてあっただろうか  ===============================================================  ウィキリークスが明らかにした普天間問題をめぐる政治家や官僚 たちの背信は沖縄県民を怒らせずにはいられないだろう。私は5月 4日の朝日新聞の特集記事を読んで真っ先にそう思った。  その直後に琉球新報からウィキリークスについての所感を寄稿して ほしいと言う依頼があって、その日のうちに書き終えて送信した。  5月10日に掲載されるということであったが果たしてそのまま 掲載されたのだろうか。読者の参考までにその原稿をメルマガに貼り 付けて紹介させていただく。  しかし、今この文章を読み返して書き直したいぐらいだ。  5月12日の毎日新聞を読んであきれ果てた。  沖縄差別発言をして更迭されたあのメア前米国務省日本部長が、 5月11日に首相官邸を訪ねて日本政府関係者と約1時間会談して いたというのだ。  菅首相はこの事実を知っているのだろうか。  首相官邸の日本政府関係者とは誰なのか。  何のためにメアを官邸に呼んで何を話したのだろうか。  ここまで沖縄を軽視した政権を私は知らない。沖縄県民は激しく怒ら なければならない。 以下 琉球新報への寄稿原稿  菅首相には今度こそ正しい対米外交を行なってもらいたい  大震災と津波が引き起こした福島原発事故は、はからずもこの国 の原発政策の誤りを見事に国民の前に提示してくれた。もはや原発 政策を今まで通り進めていくことはできないだろう。 それと同じように、ウィキリークスが公開した米外交公電はこの国 の対米外交の欺瞞と背信を証明してくれた。もはやこれまでの対米従属 外交は許されない。今度こそ菅首相には正しい対米外交を行なってもら いたい。 2006年5月に引退直前の小泉首相が置き土産としてブッシュ大統領 と合意した「米軍再編に関する日米合意」は、その後麻生政権の下で 2009年2月に「グアム移転協定」という形で最終合意され、それを 政権交代を成し遂げた鳩山民主党政権もまた見直すことが出来ず迷走の 末に2010年に再確認して今日に至っている。 しかしその過程において沖縄県民の切実な要求がことごとく無視されて きた。そのことだけでも日米合意は不当であるのに、ウィキリークスが 告発した米外交文書で明らかになった事は、在沖縄米海兵隊の人数の欺瞞 とグアム移転経費の粉飾であった。 普天間問題はもはや沖縄住民だけの問題ではない。これまでの対米交渉 は日本国民全体に対する重大な背信であったということだ。 もし米国が日本政府をだましたのなら国民は米国政府を詐欺罪で訴え なければならない。 もし日本政府がそれを米国に入れ知恵して国民をだまし、血税を不当、 不要に米側に支払っていたなら、国民は日本政府を背任罪で訴えなけれ ばならない。それほど深刻な権力犯罪である。 ここに至ってもはや普天間代替施設を辺野古沖に建設する事は出来なく なった。しかし、より重要なことは、だからと言って普天基地の継続使用 や固定化を止むを得ないと認めてはいけないということだ。 普天間基地の返還要求は1995年の不幸な少女暴行事件の怒りから 始まった。その返還要求の正当性は2011年の今日においても強まり こそすれいささかも減じることはない。 今こそ菅首相は沖縄住民の思いを背にして日米交渉を仕切り直すべきで ある。 ウィキリークスをチャンスと捉え、過去のどの政権も果たせなかった 正しい対米交渉を取り戻す時である。 それこそが政権交代をした民主党政権に期待される対米外交である。 沖縄県民、日本国民のための自立した外交を行うことこそ自らの望む 政権維持にとっての王道である。 了                                                                       

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