□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月1日発行 第313号 ■ =============================================================== 大震災の中でも外遊三昧の外務省 =============================================================== 他の官庁の事は知らないが、今の外務省はまったく仕事をしていない ように思える。それは仕事がないのではない。山ほどある仕事を何一つ まともに果たしていないのだ。 そのことを見事に物語っているのが外務省の閣僚たちの外遊ラッシュ である。 連休中にも震災国会が開かれている。ところがそんな震災国会は 自分たちには関係ないといわんばかりに外遊三昧だ。 その外遊が意味のあるものであればまだ許せる。しかしたとえば親分 である松本外相の外遊がこれだ。5月1日の読売新聞はこう書いている。 「こんなことなら行かなければよかった」 日米外相会議で、菅首相の訪米日程はもとより、その前提条件である 日米安保閣僚協議(2プラス2)の日程すら米側から言質をとれなかった ことに失望した民主党幹部の言葉である。 その読売新聞は、さらにこうも書いている。 「共同記者会見に臨んだクリントン長官は、松本外相とあまり目を 合わせなかった。会見後も、長官は外相に握手も求めず退室・・・6月末 に辞任が最近固まったゲーツ国防長官も、一時予定していた松本外相との 会談を見送った・・・」 何のための訪米だったのか。 親分の外遊がこれだから他の政治家の外遊などもっといい加減に違い ない。私が驚いたのは、外務副大臣、外務政務官のほとんど全員がこの 連休中に外遊しているという事実だ。4月30日の産経新聞がこれを 批判的に報じていた。外務省の中にも疑問視する声があるという。 その顔ぶれの中に菊田真紀子外務政務官の名があった。国交樹立25 周年という名目でブータンを訪れるという。その前後にスリランカと ブルネイを訪れる事になっているが、その理由は何も書かれていない。 この菊田政務官についてはかつて3月18日の日刊ゲンダイが次の ような記事を載せていたことがあった。私はそれに注目した。 大震災直後の3月14日にアセアン地域フォーラム出席のために インドネシアを訪れた菊田真紀子外務政務官(41)に批判が集まって いるという。出発前日、秘書官に「インドネシアではエステと買い物を 楽しみたい。ステキなお店を調べて予約して、と命じたそうだ・・・ 仕分け人をやったあと仙谷さんの寵愛を受け、昨年9月に外務政務官に 就任しました・・・パプアニューギニアに行く前には「水着を持って いって泳ごうかなあと口にしていた・・・ 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)