□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月30日発行 第309号 ■ =============================================================== 沖縄県民と東日本大震災被災民に共通するもの =============================================================== 4月30日の各紙が一斉に報じた。政府は普天間代替飛行場の滑走路 をV字型にすることに決めたと。日本側が主張していたI字型をあきら めて、米側が要求していたV字型を容認することにしたと。 V字型といいI字型といい、要するに滑走路を一本にするか二本に 拡張するかというだけのことだ。 これを報じた早朝(4月30日)のNHKニュースは、政府がV字型に 決めた理由の一つとして、住民の危険や騒音被害を減らすことができる ことをあげていたがそれは嘘だ。そうであればはじめからV字型にして おけばよかったではないか。米側に押し切られただけの話である。 こうなることはすでに断片的に報じられていたが、いよいよ政府がそれ をメディアに流し、既成事実にしようと踏み切ったということだ。 菅総理の訪米と、その前の閣僚会議(2プラス2)開催のためには その前に合意しておかなくてはならない。その限度がもはやまったなしと 迫ってきたということだ。 しかし、これほど沖縄県民をバカにした話はない。 沖縄県民は受けいれられないと言い続けている。それに対し政府はこれ まで忍耐強く説明してご理解を得たいと繰り返して来た。しかし、それは 真っ赤な嘘だったのだ。説得どころか、沖縄の意向を無視して強行する事 にしたということだ。 しかも5月7日に北沢防衛相が沖縄を訪問するというのに、それを待た ずして決めている。沖縄の意見は無視して決めたということだ。 しかも日米閣僚協議(2プラス2)の前に決めている。本来ならば閣僚協議 で交渉し決めることだ。北沢大臣は沖縄県民の要求を米側に伝えて交渉すべ きだ。それにもかかわらず、米側と日本の官僚で決めたことに閣僚が従う。 日米閣僚協議は中身が決まった後で握手をするためだけのものであると言う ことだ。 ここまで無視されて沖縄住民が立ち上がらないはずはない。 それはあたかも切り捨てられた東日本大震災の被災者と同じだ。このまま では東日本大震災の被災民は立ち上がるほかはない。 沖縄県民と東日本大震災被災民に共通するもの、それは政府に切り捨て られるということだ。立ち上がるしかないということだ。もはや政府に 任せてはおけない。自分たちの命と暮らしは自分たちで守るほかはない。 両者が立ち上がる時もまた同じく連休明けとなるに違いない。連携せよ。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)