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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

大震災の裏で猛烈に進む対米従属の普天間外交
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月29日発行 第307号 ■     ===============================================================  大震災の裏で猛烈に進む対米従属の普天間外交    ===============================================================    レビン米国上院軍事委員長が訪日し日本側の関係者と立て続けに 会っている。  この重要な訪日をメディアが正しく伝えられないでいる。これでは 日本国民が普天間問題について何も理解できないままであるのも無理 はない。  レビンは何をしに来たのか。  それは在沖縄海兵隊のグアム移転について、日本側の更なる財政負担 を求めるためだ。  同時に、在沖縄海兵隊がグアムに移転した後も、辺野古の新飛行場の 建設は予定通り進めろと釘をさすためだ。  これに対する日本側の対応は、まるで言いなりの如くだ。  官邸を訪れたレビンに対し、枝野官房長官はこう応じたという。  「移設先を名護市辺野古沖とする日米合意に沿って進める方針は 東日本大震災後も変わらない」、と(4月29日各紙)。  北沢防衛大臣に至っては5月7日に予定されている仲井真沖縄知事と の会談前に、はやばやと代替飛行場の滑走路をV字型にすると決めた。 これは滑走路は一本でいいとする従来の日本の立場を譲歩して、米側の 要求通り滑走路を2本にするということだ。海兵隊がいなくなるという のに、である。  極めつけはレビン委員長と4月27日に会談したという仲井真沖縄県 知事の発言に関する4月28日付毎日新聞の次の記事だ。  「・・・知事は沖縄県内への移設は難しく、むしろ日本国内に移せ ないかと求めている」と語り、普天間の県外移設要求への理解を求めた」  なんという対米従属振りだろう。沖縄からの基地撤退を求めるのが 筋なのに、日本国内に移転するように日本政府に求めているから米国も それを了承してくれと釈明しているのだ。  情けないのがレビン訪日を報じる大手メディアの対米迎合ぶりだ。  沖縄県民がこれほど反対しているというのに、それでも普天間基地に こだわる軍事的理由はどこにあるのか、という質問をすべきところを、 日本側の対応をどう思うかと聞いている。  それについて4月29日の毎日新聞はこう書いている。  「・・・記者団から普天間移設問題の感想を求められ、『スロー』と 一言だけ述べた。笑いながらの発言だったが、移設が進まない状況に苛立 ちをにじませた形だ・・・」  まったく違う。  金も出す。辺野古建設も米国の思い通り認める。そう応じた日本側の 対応に、すべては思い通りに進むとほくそ笑んでいるのだ。  しかし、そうは言えないから、一応 「遅い」と言っておいてやれ、 馬鹿な日本の記者がそれを都合よく書いてくれるだろう・・・  レビン氏の笑顔はそういう意味なのだ。  もはやこの国の対米従属は自虐的なところまで行き着いた感がする。  その責任はもちろん自民党政権以上に対米従属に成り果てた菅民主党 政権にある。                         了

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