□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
■□■
□■　天木直人のメールマガジン２０１１年４月２９日発行　第３０７号
■　
　
　===============================================================

　　微動だにしない天下り構造ー菅・仙谷民主党政権の大罪　　

　===============================================================


　驚いた。４月２８日の各紙が報じていた。横浜銀行が２７日、
財務省ＯＢで元国税庁長官の寺沢辰麿（６４）という人物を頭取
に迎えるという人事を発表したという。

　日経新聞はこう書いている。

　「・・・地方銀行最大手の横浜銀行の頭取は１９４９年以降
財務省(旧大蔵省)出身者がつとめてきた。中でも直近の５代は
事務次官ＯＢ。次期頭取に内定した寺沢氏は次官経験者ではないが、
財務省の『指定席』は健在だった・・・」

　その日経記事はさらにこう続けている。

　「・・・寺沢氏は旧大蔵省銀行局など金融関連の経験はわずか。
２７日の記者会見でも銀行経営に関して『不安はないかと言えば、
ある』と語った・・・」

　能力・実績とは関係のない、財務官僚組織の人事上の駆け引きで
決められた典型的な天下り人事である。しかも次官経験者から国税庁
長官経験者への格下げ人事だ。横浜銀行も舐められたものだ。

　私が驚いたのは、このような人事を問題視する大手新聞の記事が
皆無であったことだ。

　こんな人事を許す菅・仙谷民主党政権への責任追及の記事が皆無
だったということだ。

　もはやこの国は自民党政権以上に官僚天国になってしまった。

　大手メディアもまたそれを受け入れてしまったかのようだ。

　大震災でますます国民生活が困窮するというのに官僚の特権待遇は
微動だにしない。

　それを許してしまった菅・仙谷民主党政権の大罪ははかり知れない
と思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了