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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 菅首相はサミット前に辞めたほうがいい   
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月28日発行 第306号 ■     ===============================================================    菅首相はサミット前に辞めたほうがいい     ===============================================================  いくら私が菅首相に批判的であるといっても、このメルマガに 関してだけは、そのような私情を離れて書いている。  菅首相はサミット前にこの国の首相を辞任したほうがいい。 新しい首相でサミットに臨んだ方がいい。  それは日本のためであり、そして菅首相みずからのためでもある と思うからだ。  その理由を以下に書く。  4月28日の読売新聞は、ロシアのメドベージェフ大統領が今度 の主要8カ国首脳会議(サミット)では、福島原発事故を受け、原発の 国際的な安全基準強化策を議論しようと提案した、と報じた。  メドベージェフ大統領はチェルノブイル事故25年を終えて 出席する。  今度のサミットはサルコジ大統領の議長の下に開かれる。  オバマ大統領は既に韓国で来年開かれる核安全サミットで福島 原発事故後の国際対策を議論することで李明博大統領と合意している。  福島原発事故を議論することはすべての国の関心事であり合意だ。  日本は弾劾される立場に置かれる。  もちろん福島原発事故の責任は菅首相一人にあるのではない。わが国 の原発政策は長年の自民党政権下の国策であった。それはその通りだ。 たまたま事故が起きた時に首相であった菅氏は運が悪い。菅首相はそう いわんばかりだ。その気持ちはわかる。  しかし今度の福島原発事故の処理の責任は菅首相にあった。その対応 のまずさ、情報開示の不徹底、海水への放射線汚水放出など、国際的 批判を受けたことも事実だ。  いくら菅首相が安全対策向上の重要性を訴えて世界をリードしようと しても、そしていくら各国が外交的配慮からあからさまな日本批判を 避けてくれるとしても、菅首相が防戦一方になることは目に見えている。 日本にとって今度のサミットは、サミット始まって以来の最も不名誉な サミットとなる。  それが明らかな以上、打って出るのだ。  サミット前に首相を変えて、新しい顔で、新しい原発政策と安全の 強化策を引っさげてサミットに臨むのだ。そうする事によってサミット をリードするのだ。  事故を起こした責任国として、そして放射能汚染を世界に垂れ流した 責任国として、その責任を菅首相が日本を代表して世界に謝罪し、 辞任し、あらたに再出発する決意を示してそれを後任に託す。託された 新しい首相が、菅首相の決意を受け継いでサミットに臨む。これである。  それは政局に引きずられておろされるのではない。菅首相自らの決意 表明だ。自らの判断で新しい原発政策、原発安全政策を示し、それを 後任に託し、日本の再出発の決意として新首相でサミットに臨む、それは 菅首相の積極的なサミット原発外交の一環なのである。  今度のサミットを乗り切るにはそれしかない。  菅首相にはこの事に気づいてもらいたい。  菅首相の側近がこのメルマガを読んだなら、それを菅首相に伝えて 欲しい。  それでも自分がサミットに行きたいというのなら、だからあなたは指導者 の資格がないのだ、と言うしか返す言葉はない。                          了

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