□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月19日発行 第285号 ■ =============================================================== 朝日新聞よ、ここまで露骨に菅首相を擁護するのか =============================================================== 大手メディアを見ているだけでは決してわからない重要な出来事 を週刊誌の記事で知ることができた、その例をもう一つ書いてみる。 菅首相の退陣を巡るあらゆる発言はもちろん政局そのものだ。 菅首相に退陣を求める者は反菅派であり、総理にとどまって震災 対策の責任を果たすべきだと唱える者は菅支持派である。 政治的に中立であるべきメディアでも個々の記者には個人的思い 入れもあるだろう。 菅首相に辞める気はないのかと聞く記者もいれば、菅降ろしの動き を批判する記者もいる。 それにしても、週刊現代が4月30日号で報じた「『菅退陣』 で朝日記者と西岡参院議長 大ゲンカ」という記事には驚かされた。 4月14日の記者会見で次のようなやり取りが行なわれていた というのだ。 朝日「総理大臣が辞めると政治空白ができる」 西岡「そうかしら?」 朝日「被災者が、まだ仮設住宅にも入っていない」 西岡「は?」 朝日「原発の状況もあり、政治的空白を作るのは・・・」 西岡「作らないで済むんです。作らない方法もある」 朝日「私が言いたいのは、議長の発言は無責任じゃないかと いうことです」 西岡「なんでですか。私は、今のように政治がモタモタして るんだったら お辞めになるしかないと申し上げているん ですよ。朝日さんは『(菅首相に)辞めろ』というのは無責任 だと言いますが、じゃあ今の無責任(政府)のまま、続けて いいと?」 朝日「無用な政治的混乱を生むよりはそっちのほうがマシだと 思います」 西岡「ああそう。ヘー。私はそうは思いませんね」 あまりにも粘る朝日記者に西岡議長は「菅内閣のスポークスマン みたい」と訝しがり、これに対し、朝日記者は「これ以上やって も意味がない」と自分のほうから会見を打ち切ったという。 こんなやり取りがあったとは知らなかった。記者会見というから 他社の記者も大勢いたに違いない。なぜ書かなかったのか。それ ともオフレコ会見だったというのか。 西岡議員はいまや反菅派の政治家だ。その発言はみずから政治家 としての責任をとって行なっている周知の政局発言だ。その事は 朝日の記者も知っているはずだ。それなのになぜここまで執拗に 議論を仕掛けたのだろうか。 記者の個人的な発言だとしたらやり過ぎだ。 もしそれが朝日新聞の社是として行なっているとすれば朝日は とんでもない偏向新聞社という事になる。 この朝日記者と西岡参院議長のやりとりは、大手メディアが報じて 広く国民に知らせる必要があるやりとりである。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)