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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

中国人船長を「起訴相当」と議決した那覇検察審査会
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月19日発行 第283号 ■     ===============================================================      中国人船長を「起訴相当」と議決した那覇検察審査会  ===============================================================  今日(4月19日)の各紙の記事の中で私が注目したのは、 なんといっても読売新聞のこの記事だ。  すなわち那覇検察審査会が18日、昨年9月に起きた尖閣諸島沖 の中国漁船衝突事件で逮捕された中国人船長を「起訴相当」と議決 したというスクープである。  検察審査会の「起訴相当」議決といえば小沢問題である。検察が 二度にわたって不起訴とした案件を、民間人が二度にわたって起訴 相当と議決して小沢一郎は強制起訴された。  今度の那覇検察審査会の議決を報じる読売新聞の記事によると、 那覇地裁はたとえ今回の議決を受けて再捜査を行なっても、再び船長 を不起訴処分にするだろうと書いている。  しかし、その一方で読売の記事は、検察内部でも公務執行妨害の 証拠は十分あると言っている、と書いている。  そうであれば検察審査会は再び「起訴相当」を議決するだろう。 そうなれば小沢一郎の時と同様に「強制起訴」になるわけだ。  私は中国人船長を起訴せよといっているのではない。  小沢一郎の強制起訴を撤回せよと言っているのではない。  今度の那覇検察審査会の議決によって、あらためて検察審査会の 強制起訴という制度の適否が問われることになるだろう、と言って いるのだ。  そしてそれはそのまま小沢問題の異常さを再び国民の前に浮き 彫りにさせる事になる。  読売新聞の記事はこう書いている。刑事訴訟法によれば2ヶ月以内 に起訴状が被告人に送達されない場合、起訴は効力を失うと。すでに 中国に帰国した船長に起訴状が届く可能性は低く、裁判は行なわれ ないだろうと。  なるほどうまく出来ている。たとえ那覇検察審査会が「強制起訴」 議決を行なっても、菅・仙谷政権は、様々な法技術的な屁理屈に 逃げ込んでこの那覇検察審査会の動きを封じ込めるに違いない。  最後は外交問題は国内法の埒外だという切り札を使えばいい。  しかし政府がどのような判断を下そうとも、それでは検察審査会の 「強制捜査」とは一体何なんだ、という疑問が再び提起されることは 避けられない。  それはそのまま、小沢一郎の強制起訴の是非を問うことに繋がる。  私が那覇検察審査会の「起訴相当」議決をスクープした読売新聞の 記事に注目した理由がここにある。                            了

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