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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

菅首相の外国人献金返金を報じる各紙の差異
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月10日発行 第252号 ■     ===============================================================   菅首相の外国人献金返金を報じる各紙の差異        ===============================================================  4月9日の大手新聞各紙は、菅首相が外国人から受けた政治献金 を全額返金していたことがわかった、と一斉に報じた。  菅首相側の代理人が4月8日にその事を公表したという。  しかし、このニュースを報じる各紙を比較するとその扱いに大きな 差異が見られた。  一番大きい見出しで詳しく報じたのが読売新聞だった。  献金を行なった男性は中央商銀信用組合の元理事であること  返金の総額は合計104万円で、菅首相が民主党代表代行の 2006年に100万円、09年にも複数回にわたって計4万円を 受けていたこと、  返金は3月14日に行っていたこと、  菅首相はこの返金の事実を公けの場で説明しておらず、枝野官房 長官も4月8日の記者会見で、「首相から報告をいただいていない」 と答えていたこと、  公明党の漆原国対委員長は8日、「首相は本当に外国人と知らな かったのか。カネを返したことで終わる話ではない」と強調したこと、  前原氏を追及した自民党の西田参院議員も、「外国人からの献金は 公民権停止になる罪で、政治家失格だ」と批判したこと、  自民党内からは、「10日に統一地方選挙前半戦が終わった段階で 政権批判は解禁だ」との声も出ていること、  などと書いていた。  産経新聞も、献金した男性は現在はパチンコ店を経営する会社の代表 取締役などを務めている人物で、菅首相自身、3月11日の参院決算 委員会で「釣りに誘われ、知人と三人で出かけたこともあり、数回食事 したこともある」仲であったことを認めている、などと書いている。  国民が当然知りたい事である。  ところが他の新聞は献金返済の事実が明らかにされたことだけを 小さく報じるのみだ。  朝日に至っては、私の見落としかもしれないが、それを報じる記事は どこにも見当たらなかった。  菅首相の外国人政治献金問題は、前原前外相がその責任をとって辞任 したばかりの大きな問題だ。  しかもこれまで菅首相が国会でこの問題に答えたのは3月11日の 参院決算委員会の場で「日本名の方で日本国籍と思い、外国籍とは 承知していなかった。外国人と確認されれば全額返金したい」と答弁 したのみである。  その直後に大地震が起きて追及が立ち消えになっていた問題だ。  それにしてもと思う。  小沢一郎の政治とカネについてはあれだけ大きく取り上げ、小沢批判を 繰り返した朝日や毎日は、なぜこれほどまでに書かないのか。  大手メディアの政治報道が如何に恣意的か、それゆえに彼らの政治報道 は信用できないか、それを見事に見せつけてくれた報道振りだった。                                了

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