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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 小沢つぶしに走る大震災の渦中の政局 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月1日発行 第222号 ■     ==================================================================    小沢つぶしに走る大震災の渦中の政局          ==================================================================  ここへきて大連立構想が再びメディアに流されるようになった。  そして今度はそれが実現する可能性が出てきたと思う。  私が最も注目したのは仙谷由人官房副長官の動きだ。  どのテレビ局だったか失念したのだが、今朝(4月1日)の早朝の ニュースで仙谷氏が自民党に大連立を持ちかけ、自民党がこれに 前向きに応じたというニュースを流していた。  驚くべきはその内容だ。  菅首相を谷垣自民党総裁にすげ替えた大連立だという。  自民党もそれなら断る理由はないと言ったという。  内閣総辞職も解散もせず、野党の総裁を総理にする大連立。  これは禁じ手である。政治の否定である。  私はこのような屈辱的な大連立を菅直人首相が飲むはずはないと思う。  そうであればこれは先走った報道だということになる。  しかし新聞を詳しく読むと寝業師仙谷の動きが活発化している(4月 1日産経)という報道もある。  そうであれば民主党内部の権力闘争であり菅降ろしが始まったという 事だ。  仙谷氏には、かつて菅首相の首と引き換えに予算を通してくれと自民党 に持ちかけていたという前科もある。  私は菅直人は、5月のサミットや6月の訪米までは、何があっても首相 を辞めないだろうと思う一方で、もはや大震災が一段落したら、その時点 で総理を辞めてもいいと思い始めているのではないか、と思ったりする。  その理由は、原発危機の責任を一人でかぶったままでこれ以上総理を 続けると歴史に汚名を残す首相になる、それほど今度の原発処理は困難で 危機的であると気づいたとしてもおかしくない。  そうであば原発危機は皆で責任を負って対応したほうが傷は浅いと 感じるようになったのではないか、と思ったりする。  それはわからない。  しかし、わかっている事が一つある。  それは小沢の復活だけは阻止したいという思いである。  この思いは仙谷も、菅もそして谷垣自民党も同じだ。  仙谷と菅の内部分裂・権力闘争があったとしても、そして自民党と 民主党の政権争いがあったとしても、それらの対立を超えて余りある 強い反小沢で一致しているのだ。  そしてそれは同時にまた小沢叩きを繰り返してきた大手メディアの 利害とも一致する。  「大震災の中の大連立だ。原発問題を一刻もはやく解決しなければ ならない」、という論調を繰り返し、国民をその気にさせようとして いる。  極めつけは仙谷氏が輿石民主党代表代行を大連立の副総理にしようと 持ちかけていることである。  政権の中枢にとどまっていたい労働組合の利益を代弁する形で 輿石氏がこれに応じる事になれば反小沢包囲網は完成する。  小沢一郎がこのまま、何も手を打たないようでは、大震災の渦中の 政局のなかで、小沢一郎は復活の目を完全に潰される事になる。                            了

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