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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 原子力発電と日米同盟に共通するもの(その1)ー政府と大手メディアが結託した巧妙な情報操作
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月22日発行 第197号 ■     ==================================================================   原子力発電と日米同盟に共通するもの(その1)   -政府と大手メディアが結託した巧妙な情報操作             ==================================================================    今度の大震災についてはその性格が全く異なる二つの被害が同時 並行して進行している。  いうまでもなく大津波による甚大な被害と原子力発電の破損による 放射能被害だ。  前者については専ら不幸な被災者の痛みを共有し、一人でも多くの 被害者を官民一体となって救済するという問題である。  誰も異論はない。議論の余地はない。  それに比べて後者はこよなく政治的な問題だ。国民的議論を呼ぶ 問題だ。  私の関心は専ら後者にある。  そして原発事故の報道を見ながら、ある重大な事に気づいた。  それは原子力発電問題と日米同盟の大きな共通性である。  この事について何回かにわけて書いてみたい。  その最初は、政府と大手メディアが結託した巧妙な情報操作に ついてである。  原発事故の恐怖から来る原発アレルギーを大きくしてはならない。 そういう強い意図をそこに感じる。  それはあたかも日米同盟はもはや日本のためにならないと国民が 気づき始める事をなんとしても阻止しようとする強い意思と同じだ。  原発事故だけに焦点が当たらないように津波被害のニュースを洪水 のように流す。  いまこそ与野党が一致して協力すべきときだ、国民が団結すべき時 だと繰り返す。  津波が終わって久しい。余震もおさまりつつある。あとは地道な 復旧作業だけだ。  それにもかかわらず津波の光景や被害状況、そして感動的な救出劇 が繰り返される。  それは明らかに原発事故の恐怖から国民の目をそらす意図がある。  そしてやたらに強調する放射能汚染の安全性だ。  原発事故で放射能漏れが起きたことは隠せない。  だから後は、根拠のない「風評」に惑わされるなという言葉を繰り 返して、「今のところ」は健康の害を及ぼす量ではない、とその安全性を 強調する。  しかし、それが本当かどうか一般国民は知る術はない。  それはあたかも日米同盟の議論と同じだ。  一般国民にとって日米同盟の効用や在日米軍の抑止力などわかるはず はない。  大手メディアが御用学者の説ばかりを流し、その一方で日米同盟は危険 だとする者たちを、イデオロギーに偏した異端者だと切り捨てる。  今度の原発事故をめぐる報道もまったく同様だ。  原発反対論者は特殊なイデオロギーを持った連中であり、大手メディア に登場させてはならない連中なのだ。  彼らに啓発されて国民の間に原発アレルギーが広がってはならない。  政府と大手メディアが結託して、そういう情報操作を行なっている。  それはそのまま日米同盟に疑問を抱く国民を広げてはいけない、という 強い意志をもって、政府と大手メディアが結束しているのと同様である。                               了

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