□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月22日発行 第196号 ■ ================================================================== 国連によるリビアへの武力行使は、結束、迅速、公正がすべてだ(続) ================================================================== リビアへの国連の武力行使を容認した昨日のメルマガについて 読者から次のような批判が寄せられた。 武力行使を認めたことで、これまでの天木さんの言動のすべてが 否定された。どんな時でも、いついかなる時も、武力行使で傷つけ 殺されているのは一般市民である。そこにどんな正当性も見いだす ことはできない。 いわゆる絶対平和主義者からの批判であると考える。 その意見は尊い。人間が到達すべき理想であると思う。 しかし、人類はいまだその理想に到達していない。 短いメルマガで私の意を論じつくす事は困難だが、あえてその 批判に答えたい。 戦後の国際社会が合意した平和の実現は、最後は国連憲章に基づく 国連によるものである。 すなわち国連憲章は第7章42条で、国際の平和及び安全の維持 または回復に必要な場合、軍事的措置を認めている。 日本はその国連憲章を認めて国連に加盟した。 国連は確かにこれまでその機能を十分に果たしてきたとは言え ない。 しかし我々はまだ国連を捨ててはいないのだ。 国連憲章に基づく平和の実現をわれわれがあきらめたら、自国を 守るあらゆる安全保障政策が噴出し、わが国の憲法9条も、それを 守る事が一層困難になるだろう。 今度こそ国連は自国民を攻撃するカダフィの暴挙を正しく阻止し なければならない。 それほど大きな意味を持つ今回の国連の武力行使であると私は 考える。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)