□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月17日発行 第186号 ■ ================================================================== 事態が落ち着けば国民に信を問え ================================================================== ひところまでは小沢、反小沢で政治報道は埋め尽くされていた。 そして今度の大震災が起きる直前は、菅政権の継続か、それとも 菅政権の即刻退陣、総選挙必至か、という報道ばかりだった。 その立場の対立は、今度の大震災をめぐる報道でも見られる。 3月17日の日刊ゲンダイは大震災の対応を巡る菅首相の無能振りを 書きたてる。 同じ日の夕刊フジは、地元岩手が震災にあっているというのに小沢 一郎は何をしているのか、と小沢を叩いている。 大手新聞は程度の違いはあるが菅政権に対して温情的だ。 いまは政局にかまけている時ではない。国民が一丸となって危機を 乗り切ろうと繰り返す。 菅政権にもっとも好意的なのが朝日であることもこれまで通りだ。 そんな中で、3月16日の産経新聞の乾正人政治部長の論説は的を 得ていると思った。 それは一言で言えばこうだ。 菅首相はいますぐ非常事態宣言を出せ。そうして思い切った施策を 与野党、国民の協力を得て断行せよ。そして事態が落ち着けば、その 後も菅政権の継続が許されるかどうか国民の信を問わなければならない。 私はこれが今の菅首相の正しい対応だと思う。 そう国民の前で宣言し、覚悟を決めれば、下手なパフォーマンスや 人気取りに煩わされることなく、自らの信じるところに従って思い通り の大震災対応策をとれるはずだ。 いたずらに政権にしがみつくな、という私のような批判も跳ね返す ことができる。 いまの日本の惨状を見れば菅首相の取るべき政策はそれしかない。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)