□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月16日発行 第184号 ■ ================================================================== メアとクローリーの辞任の違い ================================================================== 3月14日の各紙は、クローリー国務次官補(広報担当)が13日、 自らの発言の責任をとって辞任したと小さく報じていた。 しかし、この引責辞任は、メア日本部長が沖縄侮辱発言をして更迭 された事とはあまりにも対照的だ。 米メディアによると、米軍施設に拘束されている上等兵は自殺防止の ため裸での睡眠を強いられているとされ、クローリー氏は先週、米マサ チューセッツ工科大での講演で、こうした待遇は「ばかげており、非 生産的で愚かだ」と発言したという。 これが米国防総省の怒りを買って、その発言の責任を取らされた というのだ。 クリントン国務長官は国防総省の怒りに抵抗することなくただちに クローリー国務次官補の辞任を受け入れたようだ。 しかし、メア発言とは対照的にクローリー発言はまともな発言だ。 米軍施設に拘束されている上等兵とは、ウィキりークスに米軍のイラク 攻撃の残忍さを示す映像を内部告発したマニング上等兵のことである。 米国防総省はそのマニング上等兵を拷問のごとき扱いをしていたのだ。 それをクローリー国務次官補は間違っていると批判したのだ。 その正しいクローリー次官補に辞任を迫った米国防総省と、クローリー 次官補をかばいきれなかったクリントン国務長官。 これこそが今の米国の不健全さをあらわしている。 同じ引責発言でもメア発言とクローリー発言は似ても似つかない。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)