□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■天木直人のメールマガジン2011年3月15日発行 第182-2号 ■ ================================================================== まるで国会答弁を聞いているような菅首相、枝野官房長官の記者会見 ================================================================== 読者の多くから那須塩原から避難したほうがいいという助言を いただいた。 幸いにも私には京都に帰る家がある。急遽那須塩原市から京都へ 車を飛ばして疎開した。 メルマガの配信もしばらくはここから行うから途切れることなく できる。 今日のメルマガ第182号 「原発事故の情報は隠蔽してはいけない」 を配信した後、多くの読者から政府、東京電力、メディア解説者の発表 を信じてはいけない、というメールをいただいた。 原発事故のニュースと計画停電のニュースが交互に流される。いかにも おかしい。これは原発事故によって原子力発電の推進に水をさされること をおそれる政府や原発推進者が、原発を止めると電力不足になるぞ、と 脅かしているのだ。 そういう意見が多く寄せられる。 そう思っていたら京都へ来て3月15日の京都新聞に目を通したら、 作家・広瀬隆氏の「すり替え、危機あおる東電」という寄稿を見つけた。 原発の危険性を告発し続けてきた第一人者であるノンフィクション作家 の広瀬氏は、「私が著書でブラックジョークのつもりで書いたシナリオが、 現実になってしまった。本当に終息できるのか。情報がなさ過ぎる」と、 政府・東電・メディアの対応を批判していた。 広瀬氏に叱られるまでもなく政府・東電・メディアの対応はあまりに 酷い。 その中でも、やはり菅首相、枝野官房長官の責任は大きいと思う。 とくに菅所首相、枝野官房長官の記者会見の発言は聞くに耐え難い 酷さだ。 どこかで聞いたことがある答弁振りだ。 そう思ってはたと気づいた。 これはまさしく国会答弁だ。 誠実に答えているようで実は何も語っていない。 真実を語ることを恐れ、批判が自らの向かってくることを巧みに かわそうとする保身の姿勢がありありと透けて見える。 国民がここまで危険な状態に置かれているというのに、野党の質問に 対する国会答弁のような記者会見に終始してどうする。 3・11大震災の歴史とともに、その時の最高責任者であった菅首相、 枝野官房長官の名前は日本国民の記憶に残り続けると思う。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)