□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月14日発行 第181号 ■ ================================================================== 仏に先を超された日本 ================================================================== フランスのサルコジ大統領は10日、リビアの反体制勢力である 国民評議会をリビアの代表として承認する方針を明らかにした。 主要国では初めてという。 さすがにフランスだ。もたもたしている米国を尻目に大きな決断 をした。 もちろんその背景には反体制派が晴れて政権を取った時に最大の 影響力を及ぼすことが出来るように先駆けたのだ。 しかし、そのような打算とは別に、世界は一刻も早く反体制派の 政権が確立するように急ぐべきだ。 国民を空から攻撃するようなカダフィ政権は如何なる意味でも認め られない。認めてはいけない。 カダフィ政権を長引かせる事はいたずらにリビア国民の命を犠牲に させるだけだ。 なぜ日本はフランスに先駆けてそれが出来ないのか。 中東に中立な日本こそ、リビア国民のために一日も早く民主政権が 確立するよう世界に発信すべきだ。できるはずだ。 フランスと違って利益のためではない。平和のためだ。リビア国民の 命のためだ。 アラブ諸国の国民は喝采をおくるだろう。 カダフィ政権を利用してきた米国が、いまそのカダフィに反逆される 事を恐れて何もできない。 クリントン国務長官は下院公聴会で次のように述べたという。 「国際的な承認なしに米国が単独行動を起こせば、予見できない 結果に足を踏み出すことになる」、と(3月12日産経)。 イラクでそれをやったのは誰か。 そんな米国に追従するだけの日本の中東外交はあまりにも無策だ。 憲法9条新党ができた暁には、日本政府に正しい中東外交を迫って みせる。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)