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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

メア日本部長の更迭で幕引きさせてはいけない
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月10日発行 第172号 ■    ==================================================================   メア日本部長の更迭で幕引きさせてはいけない               ==================================================================  誰も書かないうちに書いて置く。  私はメルマガを書くためにその日の新聞記事や報道の中で参考に なると思われるものをファイルしておく。  それが今になって活きてきた。  メア暴言が起きた時、私がとっさに思ったことは「メア更迭は避け られない」ということだった。  ところが米国は当初、「メア発言を確かめる」、とか「米政府の 意見とは異なる」とか、とぼけた事を言っていた。  しかし沖縄県民の激しい怒りの前にそれでは収まらないと米国は すかさず判断した。  これが普天間問題や日米同盟を揺さぶるようになっては大変だ、 そう思い始めた。  米国の事だ。すぐに手を打ってくる。  おりから日本では外務大臣が更迭された。  松本新大臣はこの問題を弱腰で対応すれば世論の批判をあびる。    そこで日米官僚は結託して「メア更迭」を急遽発表することを 示し合わせた。  そうする事によって、「米国の謝罪は本物だ」、「松本は対米外交に 毅然とした態度を取った、やるじゃないか」、ということになる。  見ているがいい。  早ければ今日にも「メア更迭」を米国が発表し、すかさず菅首相や 松本外相がそれを歓迎する、ということになる。  そこで、冒頭の私のファイルが活きてくる。  2月24日の産経新聞は、米国務省日本部長に在イラク米国大使館の マーク・ナッパー参事官(政治担当)がこの夏に就任予定だという スクープを報じていた。  この後追い記事を2月25日の日経が報じていた。  ナッパー氏は米政府内で数少ない日本専門家。実父が海兵隊で沖縄に 駐留していた経験があり、自身も幼少期を沖縄で過ごしたことがある という。米プリンストン大学で日本政治を学び東大に留学したほか、 自民党国際局で勤務した経験を持つ根っからの日本通で、妻も日本人。 国務省の歴代の日本専門家の中でも最も日本語能力が高いとの評判で、 在日米軍基地問題にも詳しいという。  その一方で、現在のメア日本部長はホワイトハウス国家安全保障会議 (NSC)のアジア部長に昇格するという。  何のことはない。  更迭などではない。  予定人事を今夏から今春に少しばかり早めるだけの話である。  見ているがいい。  日本のメディアは「メア更迭!」と大騒ぎするに違いない。  これでメア暴言事件の幕引きを図ろうとするに違いない。  「メア更迭にごまかされてはいけない」、「メアをNSCのアジア部長 にさせてはならない」、と書く新聞が一社でも出てくるだろうか。  けだし見ものである。                             了

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