□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月7日発行 第164号 ■ ================================================================== 石原慎太郎に怒鳴られてもとぼける外務官僚 ================================================================== 日本広しといえども私しか書けない事を書く。 今日3月7日の産経新聞一面に、次のような書き出しで始まる 石原慎太郎の連載寄稿「日本よ」が掲載されていた。 「私はつい最近久し振りに国の役人を面罵した。場所は外務省の 大臣室で、横にいた外務大臣をも強くたしなめた。『きさまは一体 どこの役人だ!』と怒鳴ったら、怒鳴られた梅本和義北米局長は しゃあしゃあと、『日本の役人でございます』と答えたものだ・・・」 そしてその後に怒った理由を要旨次のように説明している。 すなわち、ほとんど使われていない横田の米軍基地をせめて日本の 民間航空会社と共同使用にさせようとして努力してきた石原都知事が 企画するシンポジウムに米国の関係者が出席しようとしたら、梅本 外務省北米局長は彼らを外務省に呼びつけ、横田の問題については まだ結論がでていないのでシンポジウムには出席するなと言った というのだ。 そればかりではない。梅本局長は、羽田は国際化され、日本の航空 需要は満たされている、と専門外の事柄に口を挟んで米国の出席者を 牽制したという。 「門外漢の外務省の局長が現実とは逆の事をほざいて折角の計画を 遅滞させるのは一体何のためなのか。アメリカにおもねっての保身の ためなら、売国としかいいようがない」と石原慎太郎の怒りは怒髪天 を衝く如くだ。 これには思わず笑ってしまった。 私にはその時の光景が目に浮かぶようだ。 梅本局長は私より10年ほど後輩の官僚であり、その駆け出しの頃 から一緒に仕事をしたから良く知っている。 駆け出しの時から常に米国のほうを向き、外務省の中枢を歩く者たち だけを相手に仕事をするような官僚だった。 当然のことながら、私に接する時は、10年先輩の私であっても 眼中にはないというあからさまな態度に終始していた。 もはや自分の将来にとって何の影響力もない石原慎太郎都知事など 無視すべき対象でしかないのだ。 その梅本氏は、どうひいき目に見ても良い仕事をしているとは思え なかったのだが、若くして出世間違いなしと言われていた。 そしてその通り北米局長をへて今では次官候補の筆頭となっている。 石原慎太郎都知事がなげくまでもなく、それが外務省なのである。 米国は梅本局長は評価しても「NOと言える日本」を書いた石原 慎太郎は許さないのだ。梅本局長はそれを知っているのだ。 因みに梅本局長はかつて英国大使館勤務の時、拉致問題にかりだされ、 おざなりの仕事をして拉致家族を怒らせ、それでも批判をもろともせず 仕事が終わればさっさと英国に帰ってしまった男である。 自分にとって得にならないことは一切しない。それが偉くなる外務 官僚の典型なのである。 了

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